事業内容
本事業は、21世紀の日中友好協力事業に従事する人材育成を目指し、1995年度から5年計画で実施されました。中国の日本語教育専攻学科のある大学において、日本語科に在籍する大学生および大学院生の成績優秀者に奨学金を支給し、日本語学習者を奨励するというものです。
98年度までは、北京外国語大学、上海外国語大学、大連外国語学院、四川外国語学院、西北大学、広西大学、南京大学、広州外語外貿大学の8大学を対象としていましたが、最終年度にあたる本年度は、新たに山東大学、黒龍江大学も加えました。助成先である中国国際友好聯絡会(友聯会)が各大学に審査委員会を設置して学生の成績、論文、人物などを審査し、選考された学生には、年間1人あたり2000元(約3万円)の奨学金を支給しました。本年度は計10大学の90人、5年間では総計450人の学生が奨学金を受けました。
奨学生の多くは、卒業後、官庁、新聞社、テレビ局、大企業の渉外部門などに就職し、現在は日中交流の掛け橋として活躍しており、このことが在学生の学習意欲の向上につながっているようです。このような状況を受けて、卒業生を対象とした同窓会を結成し、相互交流と奨学金制度に関する意見交換を目的とした懇親会を各地で行い、奨学生のネットワークの形成に力を入れています。また毎年、奨学生の小論文を『友聯会笹川日中友好基金奨学金論文集』として編集し、設置校日本語科の教師と学生の間で回覧しています。
友聯会は、本事業と、当基金が行っている他事業との提携に力を注ぎ、奨学生の中でも優秀な学生を中心とした訪日交流団を日本に派遣し、日本の若者との意見交換と相互理解の促進につとめています(「日中青年対話促進訪日」事業、49ページ参照)。
中国では、他の外国語に比べて、日本語学習者に対する奨学金が少なく、この「友聯会笹川日中友好基金奨学金」への期待と認知度は大変高いと言えます。本事業は、本年度をもって第1フェーズは終了しますが、この奨学金に対する期待と認知度、また、98年11月の江沢民総書記の訪日以来中国で続いている、青年交流促進の動きなどを考慮して、来年度以降も新たなフェーズとして継続していく考えです。
事業実施者 |
中国国際友好聯絡会/中国
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年数 |
5年継続事業の5年目(5/5) |
形態 |
自主助成委託その他 |
事業費 |
4,519,879円 |