事業紹介

2002年
事業

219 日中安全保障研究交流

事業内容
日本と中国の安全保障分野での交流は、依然として低調なままです。首相の靖国神社参拝などによる交流の齟齬が毎年のように繰り返される中、笹川日中友好基金は独自のルートを活かし、途絶えることなく民間による安全保障交流事業を進めてきました。
2 0 0 0年度は、橋本龍太郎元首相を団長とする訪中団を派遣し、江沢民国家主席(当時)をはじめとする軍首脳の歓迎を受けました。橋本元首相と江沢民国家主席の会談の席上、民間ルートによる安全保障分野の日中交流が評価され、この交流事業が1 0年のスパンで考慮されることが示されました。0 1年度は、台湾の李登輝前総統訪日による波紋が日中間に広がる中、その直
前に人民解放軍の佐官級から成る訪日団を受け入れました。8月の小泉首相靖国神社参拝による両国関係の緊張の高まりにもかかわらず、0 2年2月には日本から安全保障問題の佐官級専門家による訪中研修も実現しました。特筆すべきは、本年度、中国政府が小泉首相の靖国参拝に抗議して防衛庁長官の訪中受け入れと中国海軍の艦船の訪日が延期されるという状況下で、本事業の現役の佐官クラスによる訪日研修が実施されたことです。また、日中両国首脳の交流そのものが停止していた0 3年2月、日本の佐官級自衛官、安全保障問題の専門家を中国に派遣し、相互理解の促進に寄与するとともに、防衛次官級の相互交流が今回の訪中団を介して日本政府に伝えられるなど、政府間の交流促進の役割も果たすことができました。
交流は、相互互恵の形で、日本では防衛庁長官、統幕議長への表敬に対して中国では国防部長、副総参謀部長への表敬、陸・海・空自衛隊の部隊訪問に対しては陸海空3軍の部隊訪問、また防衛研究所、幹部学校の視察訪問・意見交換に対しては国防大学、士官学校の視察訪問・意見交換などを行いました。さらに、安全保障問題を専門とするシンクタンク、アジアフォーラム・ジャパンなどの協力を得て、日中をはじめとする内外の安全保障問題に関する調査を行い、米国同時多
発テロ後の日米中3国関係に関する調査報告書を作成しました。
現在、民間の交流ルートである本事業のために、両国は最大の努力をしていると言っても過言ではありません。橋本元首相と江沢民前国家主席が約した1 0年間の交流継続を実現すべく、関係者の協力と努力が期待されます。

事業実施者 笹川平和財団 社団法人アジアフォーラム・ジャパン(日本) 年数 3年継続事業の3年目(3/3)
形態 自主助成委託その他 事業費 32,874,902円
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