事業紹介

2012年
事業

326 日中関係40年史(1972~2012)

事業概要
当財団は、2007年と2008年の2年間にわたって、中国人研究者による中日平和友好条約締結以降の中日交流史の研究総括事業を支援した。研究の集大成は『中日友好交流三十年』の中国語全3巻の書籍と日本語訳として刊行され、両国の日中関係研究者に注目された。同事業に引き続き、当財団は2009年度から、将来を担う日本人若手研究者による日中国交正常化以降の日中関係史を研究する事業を発足させた。4年継続事業の最後の年である本年度は、政治編、経済編、文化社会編を東京大学出版会より刊行すると同時に、中国語の翻訳・編集作業を進め、中国社会科学文献出版社より中国語版を刊行する。また、東京、北京での刊行発表会の開催を予定し、日本人の視点から1972年から2012年までの日中交流史を整理・総括し、現代日中関係の全体像を両国民に提示することを目指している。
実施計画
本事業では、これまでの3年間、将来を担う30代~40代の若手研究者を中心として政治編15名、経済編8名、文化社会編11名の計33名を日本各地から集めて共同研究を実施してきた。2012年は日中国交回復40周年にあたり、それを記念した成果物刊行と、日本における刊行発表会、中国における刊行記念シンポジウムを行う予定である。4年計画の最終年度として今年度は、下記の活動を行う。
  • 成果物の刊行と刊行発表会の開催
    『日中関係40年史1972~2012』(仮題)政治編、経済編、文化社会編を刊行する。執筆関係者、有識者、中国側の研究者、メディア関係者を集めて、7月下旬に東京で刊行発表会を開催する。
  • 中国語版の刊行と記念シンポジウムの開催
    中国社会科学文献出版社に業務委託し、成果物『日中関係40年史1972~2012』(仮題)の中国語版の翻訳、編集、刊行業務及び中国での情報発信を行う。中国共産党大会終了後の11月ごろに北京で刊行記念シンポジウムを開催する。
  • 事業遂行に関わる意見交換と事務連絡業務の実施
    事業遂行と中国語版の刊行のために日本や中国の学者が懇談し、専門家と意見交換する場を提供する。また、事業協力者との打合せや、日中関係に関する情報収集などを行う。
事業成果
当財団の支援により、2008年『中日友好交流三十年』が中国で刊行され、続いて日本でも『中日関係史1978-2008』として出版されました。これらは、中国側の初の資料集として両国の学界で高く評価されました。この前事業が発展して生まれた本事業は、1972年から2012年までの日中関係史を日本専門家が整理し、『日中関係史1972-2012』として、日中両国民に広く紹介することを目指します。本年度は、日中国交正常化40周年を記念して、9月に事業成果物『日中関係史1972-2012』Ⅰ政治、Ⅱ経済、Ⅲ社会・文化の日本語版3巻を東京大学出版会より刊行し、9月25日に東京で研究成果の刊行発表会を開催しました。中国語版の翻訳・出版業務は中国社会科学文献出版社に委託し、準備に取りかかっています。


(2014年3月25日『日中関係史1972-2012 Ⅳ 民間』(東京大学出版会)が刊行され、シリーズ全巻が刊行されました)

 

(左)『日中関係史1972-2012』Ⅰ政治の編者 高原明生東 京大学大学院教授<br>(右)『日中関係史1972-2012』Ⅰ政治/ II経済/ III社会・ 文化(東京大学出版会)

(左)『日中関係史1972-2012』Ⅰ政治の編者 高原明生東 京大学大学院教授
(右)『日中関係史1972-2012』Ⅰ政治/ II経済/ III社会・ 文化(東京大学出版会)

事業実施者 笹川平和財団 年数 4年継続事業の4年目(4/4)
形態 自主助成委託その他 事業費 4,656,737円
ページトップ