事業紹介

2009年
事業

メコン流域の辺境地域経済と社会変容に関する実態調査

事業内容
東南アジア諸国は、中国の経済発展とともに中国との連携が強まりつつあり、特に大メコン地域(GMS)の中国と東南アジア諸国が接する辺境地帯では、公式・非公式な取引を含めた人・物・資金・情報等の交流の拡大が指摘されている。東アジアの安定的発展の促進には、地域的な視点に基づく政治的・経済的・社会的な側面から該当辺境地域に係る変容の実態を把握することが求められている。  本事業では、タイのチュラロンコーン大学を中心に、雲南社会科学アカデミーやベトナムのノン・ラム大学等の関係各国の協力機関と連携し、GMSの国境地帯における交流実態を調査し、域内外の変容と影響について報告書を取りまとめる。
本年度も前年度同様に、タイ、ラオス、ベトナム、ミャンマー、中国(雲南省)の各国研究チームを編成し、以下の活動を実施する。

  • 追加調査(2009年4~5月)
    特定の辺境地域を対象に必要に応じて追加調査を行う。最終報告書の理論的な枠組みを考察するために、各国の研究チームにより収集されたデータを分析すると共に、更なる文献調査を実施する。また、経済変動に加え社会変動の実態をより厳密に把握するため、辺境地域で詳細インタビューや現地セミナー等のフィールドワークを実施する。
  • 最終報告書の作成(2009年4~12月)
    3年間事業の成果として、タイ、ラオス、ベトナム、ミャンマー、中国(雲南省)の各チームが実施した研究調査結果に基づき、最終報告書を作成する。報告書には以下の内容が盛り込まれる予定。(1)辺境地域の活動(国境貿易、人や資金の流れ等)やその経済的および社会的影響、(2)メコン河流域東西経済回廊、南北経済回廊等の役割、(3)GMS辺境地域の活動に伴う各国への影響と地域協力プロジェクトの必要性
  • ワークショップ開催(2009年7月、於バンコク)
    上述の最終報告書の内容を検討するために、ワークショップを開催する。ワークショップには各国研究チームの代表者が参加する。
  • 国際会議開催(2010年2月、於バンコク)
    3年間の研究成果を周知するために、タイ国内外の専門家や政府関係者約60名を招き、国際会議を開催する。

事業実施者 Institute of Asian Studies, Chulalongkorn University(チュラロンコーン大学アジア研究所/タイ) 年数 3年継続事業の3年目(3/3)
形態 自主助成委託その他 事業費 7,400,000円