本事業は、日越間の一層の関係強化に向けて、中央主導であった交流の担い手を地方の非営利セクターや自治体に広げ、日越の新しい関係づくりに寄与することを目指しています。後述の「日越地方市民団体交流」と「日越地方行政官交流」の2つの助成事業を行い日越の地方の市民団体や行政官を対象に、地域開発などのテーマに関する交流の場を提供しました。3年間の事業期間中、「日越地方市民団体交流」事業では、主に「有機農産物」「道の駅」をテーマとし、日越双方の対象地域において非営利組織関係者による経験交流セミナーを行いました。最終年度である本年度には、ベトナム側重点地域であるクアンナム省において、官民連携の事業管理委員会が立ち上がり、モデル事業を通じて実質的な交流活動が行われました。その結果、事業へ参加した日越の関係者間に強い信頼関係と人的つながりが醸成されました。また、「日越地方行政官交流」事業では、日越各6都市の地方行政官を対象に双方の現地視察や交流ワークショップを実施し、両国の地方自治体レベルでの交流モデルが示されました。両事業を通じて、地方行政官・市民団体関係者・関連分野の専門家など多様な人材が関係し、重層的な交流を促すことにつながりました。また、事業の完了後も関係者間で継続的に地域間交流・協力が進められることが期待されます。