2023.02.09
Ideas and Analyses
2023年のインド太平洋地域における日米同盟の役割:ウクライナ戦争と中国
笹川平和財団日米グループでは、笹川平和財団米国(Sasakawa USA)との共催で、1月25日(水)に、フィリップ・デービッドソン前米インド太平洋軍司令官をゲストにお招きし、講演会を開催しました。
デービッドソン提督は、米海軍にて要職を歴任後、第25代米インド太平洋軍司令官(2018年に「アジア太平洋軍」から「インド太平洋軍」に名称変更)を務め、約38万人の人員からなる米国最古、かつ最大の戦闘司令部を率い、2018年から2021年まで地球の半分にもなるインド太平洋全域の米軍活動全般の責任を担われました。
本講演会では、モデレーターに笹川平和財団米国会長の秋元諭宏氏、コメンテーターに同シニアディレクターのジェームズ・ショフ氏をお迎えし、デービッドソン氏から台湾問題も含め、2023年のインド太平洋地域における日米同盟の役割や課題などについてご知見を伺いました。
講演会動画(英語・字幕なし)は下記よりご覧いただけます。
講演会動画(英語オリジナルVer)
(1)収録日 | 2023年1月25日(水) |
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(2)討論者 | フィリップ・デービッドソン氏(前米インド太平洋軍司令官(元海軍大将)) |
(3)モデレーター | 秋元 諭宏 氏(笹川平和財団米国会長兼理事長) |
(4)コメンテーター | ジェームズ L. ショフ氏(笹川平和財団米国 日米NEXTアライアンス・イニシアチブ・シニアディレクター) |
(5)使用言語 | 英語 |
(6)共催 | 公益財団法人 笹川平和財団/笹川平和財団米国 |
*本講演会における議論は全て参加者個人の見解によるものであり、笹川平和財団、笹川平和財団米国、また参加者の所属する機関の見解を代表するものではありません。
Philip S. Davidson(フィリップ ・ S. デービッドソン)
第 25 代前米インド太平洋軍司令官。米海軍では、フリゲート艦、駆逐艦等の勤務で世界各地に配属されたのちに、国防総省、国務省、副大統領府で勤務した。USS テイラー(ミサイルフリゲート)、USS ゲティスバーグ(ミサイ ル巡洋艦)、第 8 空母打撃軍/アイゼンハワー空母打撃軍、ポルトガル・リスボンにある北大西洋条約機構海上打撃・支援部隊を率いた。2014 年か ら 2018 年までバージニア州ノーフォークの米艦隊司令部/米海軍北部司令部を指揮し、2018年から 2021 年まで、第 25 代インド太平洋軍司令官として、約38万人の人員からなる米国最古にして最大の戦闘部隊を率い、36カ国、14もの時間帯、地球人口の半分以上を含むインド太平洋全域の米軍活動全般を担った。およそ 39年ものキャリアを経て2021年 5月に退官。1982年米国海軍兵学校卒業、1992年には優秀な成績で米海軍大学校卒業。物理学で理学士、国家安全保障・戦略研究で修士号を取得。これまでに米国で国務 省特別栄誉賞などを受章したほか、2021年春には日本で旭日大綬章を受章した。
秋元 諭宏(あきもと・さとひろ)※モデレーター
笹川平和財団米国(SPF-USA)会長兼理事長。2019年 1月に笹川平和財団 米国に加わり、ビジネス、研究、知的対話、日米間の学生交流の分野での経験を活かして活躍している。三菱商事、三菱インターナショナル、ヒューズ・エレクトロニクス、ディレク TV ジャパン、マサチューセッツ州教育通信公社、ジャパン・ソサエティ、経団連 USA、富士山対話など国内外で役職を歴任してきた。また、ジャパンタイムズの寄稿者、英国国際戦略研究所のアソシエイトフェロー、日本の岡崎研究所の寄稿コメンテーター、オーストリアザルツブルグ・グローバ ル・セミナー日本諮問委員会のメンバーなども務めている。慶応義塾大学にて法学士、ハーバード大学にて東アジア研究で修士号、社会学で博士号を取得。ロシアの国立レニングラード大学(現・国立サンクトペテルブルク大学)でロシア学の修了証書を取得。英国ロンドン大学、米国ジョージタウン大学にも留学した。
James L. Schoff(ジェームズ L. ショフ)※コメンテーター
笹川平和財団米国の日米NEXTアライアンス・イニシアチブ・シニアディレクター。同イニシアチブのディレクターとして、外交・安全保障・技術政策分野にわたる新たな同盟関係を育むため、政府内外の幅広い政策・技術専門家のネットワークづくりと共同提言の作成を促進している。笹川平和財団米国に加入する前は、カーネギー国際平和財団のシニアフェロー兼日本プログラムディレクター、米国防長官府の東アジア政策担当シニアアドバイザーを務めた。国防総省では、日本や韓国との安全保障協力に関する戦略立案や政策立案を支援した。30年余にわたるキャリアでのビジネス、教育、政府、非営利団体での勤務経験は、すべて日本、東アジア、日米同盟に関係するものだ。日本に6年、サイパンに1年在住経験あり。東アジアの安全保障、外交政策、新しい技術など、幅広いテーマで執筆活動を行っている。