事業紹介

2015年
事業

001 ムスリムデモクラットの連帯強化

イスラム諸国の民主化、ISILが提起する諸問題、増大する難民と受け入れの問題、ムスリムと非ムスリムの相互理解の促進、 社会的正義と法規範などイスラ ム世界を取り巻く現在の社会情勢について意見交換の場を設け、スンニとシーアという宗派の違いを超えた議論が展開されました。

事業概要

イスラム過激派の台頭に対し、イスラム世界としてどう対応するか、非ムスリム世界に役割があるのかなど多角的な議論を通じて課題を抽出し、その改善に資するため、穏健なムスリムの運動を支援していきます。

事業実施者 笹川平和財団 年数 2年
形態 自主助成委託その他 事業費 46,200,000円

今年度は、11月にジャカルタにおいて国際フォーラム(World Forum for Muslim Democrats)を開催します。トルコ、インドネシア、マレーシア、イラン、チュニジア、日本から政治リーダーや研究者が参加する国際会議をハビビセンター(インドネシア)と共同で開催します。本フォーラムを通じて、*ムスリム有識者と実務家のネットワークが構築されること、ムスリムと非ムスリム間の議論の深化を図り、東西アジアの相互理解と対話を促進することを目指します。

2015年11月23日、24日の2日間にわたって、笹川平和財団はハビビセンター(インドネシア)、マレーシア政策研究所(IKD、マレーシア)、政治経済社会研究財団(SETA、トルコ)と共催で第2回ムスリム・デモクラット世界フォーラムをジャカルタにて開催しました。会場には大学やシンクタンク、宗教団体の関係者、現地の学生を含め150名の来場がありました。

2014年にマレーシアにて開催されたものに続いて2回目となる今回の国際フォーラムでは、発起人であるアンワール・イブラヒム氏の娘でマレーシア国会議員のヌルル・イザ氏、前ASEAN事務総長スリン・ピッスワン氏をはじめ、東南アジア、欧州、中東から有識者を招へいし、イスラム諸国の民主化、ISILが提起する諸問題、増大する難民と受け入れの問題、ムスリムと非ムスリムの相互理解の促進、社会的正義と法規範などイスラム世界を取り巻く現在の社会情勢について、意見交換の場を設けました。

今回の会議では、イランからの有識者の参加も叶い、スンニとシーアという宗派の違いを超えた議論が展開されました。フォーラムの冒頭には、イザ氏がこの会議の発起人でもある父アンワール氏の獄中からの手紙を読み上げました。その中で彼は『民主的アカウンタビリティと教育の質の確保、不公平・構造的汚職の撤廃がインドネシア、トルコ、マレーシアに課された課題である。』 と語っています。会議の最後には、教育や社会的正義と法規範の重要性、メディア・リテラシーの向上とともに、メディアを活用しての議論の多様化の促進、年次報告書の作成の内容を盛り込んだ行動計画を発表しました。


Ms. Nurul Izzah