笹川平和財団はイスラム平和財団理事長（英国）のアブドゥル・ラザク・アブドゥッラー博士をお招きして、2014年１月21日（火）に「イスラム世界のスンニー派・シーア派対立と政治変動」と題した講演会を開催します。

　イスラムにおけるスンニー派とシーア派の相違は古くから存在していますが、1979年のイラン革命によりシーア派国家イランが誕生すると、宗派間の相違は中東情勢に影響を及ぼす政治的な意味を持ち始めました。現在は、二大聖地を擁するスンニー派の代表格サウジアラビアと、シーア派イスラム国家であるイランにより、イスラム世界の二極化が懸念されています。

　アブドル・ラザク博士は、現在、英国とマレーシアで活動し、ウンマ（イスラム共同体）研究を推進しています。英国では反イスラム的な偏見を是正する積極的な発言をしており、イスラム教徒とキリスト教徒の融和につとめています。また、マレーシアの一部青年による原理主義的な過激な動きに危機感を抱き、穏健な道を歩むよう、対話重視の活動を展開しています。博士はマレーシア陸軍大学戦略・国際関係学科長、マレーシア戦略研究センター事務局長およびオックスフォード大学セント・アントニーズ校上級客員研究員などを歴任しました。
　中東・東南アジアのイスラム地域に幅広い知識を有する同博士のご講演は、スンニー派とシーア派の武力紛争の様相を呈しつつあるシリア紛争などの中東情勢の理解にも役立つものです。

　多くの皆様のご参加をお待ちしています。

（なお、NHK番組「プロフェッショナル　仕事の流儀」にて同時通訳者を密着取材している一環として、本講演会の様子が撮影されます。予めご了承ください。）