事業内容
笹川太平洋島嶼国基金は1992年度から6年間、「南太平洋大学日本語講座設置」事業を助成しました。助成期間の終了を迎えるにあたり、96年度には、事業評価を国際日本語普及協会・西尾珪子理事長と名古屋外国語大学・カッケンブッシュ知念寛子教授に委嘱し、その結果、本事業は国際協力事業団に引き継がれることが決まりました。ここで基金の役割は終了すべきところ、太平洋島嶼地域の情報が少ないこと、特に日本語教育の現状調査が皆無であったこと、何より評価者がこの地域の日本語教育のみならず全般的な援助政策に深く関心を持ったこともあり、97年度は北太平洋も含む全太平洋地域を対象に調査を継続することとしました。さらに、当基金が進めている「太平洋島嶼地域の遠隔教育支援プログラム」の視点より、遠隔教育開発の側面からの調査を盛り込みました。
97年に実施した調査・研究と、96年度の南太平洋地域における調査結果とあわせて考察を行い、報告書『日本語教育とその環境―太平洋島嶼地域における―』を作成し、内外の関係機関へ配布しました。同報告書は青年海外協力隊の研修や国際交流基金の日本語教師研修のテキストとして利用されている他、国内の30以上の大学の日本語教育の現場でも貴重な資料として活用されています。事業の波及効果として、2人の評価者は調査で得た情報と知識をもって、太平洋島嶼国および遠隔教育の研究分野において、執筆、講義、学会発表などで活躍しています。
事業実施者 |
笹川平和財団
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年数 |
1年継続事業の1年目(1/1) |
形態 |
自主助成委託その他 |
事業費 |
3,863,621円 |