中国の政治・経済・社会・外交・安全保障についての分析を発信

SPF China Observer

当サイトについて

SPF China Observerとは

 国際社会のレベルでは、いわゆる「中国の台頭」が構造的ストレスを生じさせているとも言われます。2017年5月に開催された一帯一路サミットにおいて、習近平国家主席は、あたかも中国が自由貿易の旗手であるかのように振る舞いました。「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ大統領とは対照的に見えたのです。

 中国は国際的な経済ルールを自らデザインしようとしています。米国にとっては、これまで米国が主導してきた国際秩序に、中国が挑戦しようとしていると受け止められるかもしれません。米国防総省は、2018年1月19日公表した戦略文書「国家防衛戦略」で、中国とロシアとの競争を最優先事項と位置づけました。過去15年間優先してきた「テロとの戦い」から方針を転換したのです。

 一方の中国の最優先事項は何でしょうか?米国に挑戦して国際秩序を創り直すことが目的なのでしょうか?実は、国際社会のレベルで中国の行動を見ているだけでは、これらの問いに正確に答えることはできません。2017年10月18日に開幕した第19回中国共産党全国代表大会は、中国共産党が自らの権威を高めなければならないという危機意識を持ち、組織及び社会の管理を強めている状況を改めて意識させるものでした。

 中国の国内政治や社会そして経済の状況を知ることは、中国の外交や安全保障政策の意味を理解することにもつながります。日本が、中国にどのように対応していくのか考える際に、こうした理解は役に立つはずです。

 SPF China Observerは、日本の安全保障政策立案の基礎となる、米中関係の将来と台湾海峡情勢の推移に深く影響する中国および台湾の理解を深めるため、「中国および台湾の各領域 を定点観測してその現状を日本社会に発信」することを目的としています。日本国内の中国専門家が、中国の政治、経済、社会、外交、安全保障について執筆した論考を掲載します。また、国内外の著名な学者や執筆者による議論などを動画配信します。

ページトップ