事業紹介

2005年
事業

北東アジア地域間協力の促進とモンゴルの役割/フェーズⅡ

事業内容
本事業は、北東アジアの地域協力メカニズム提示に向けて、地政学的に重要な位置にあるモンゴルを中心に、貿易・投資の活性化という観点から国際共同プロジェクトとして調査・研究を行い、その過程で人材育成を目指すものです。助成先のモンゴル開発研究センター(MDRC)は、フェーズIを含め、6年間の事業期間で、6回の海外調査と12回の国際会議を開催しました。
そして、19冊の報告書を出版し、総合研究開発機構(NIRA)が編纂する『世界シンクタンク年鑑』に名前を連ねるなど、成果を蓄積するとともに評価されてきました。
事業初年度には、モンゴルの自由貿易地帯と周辺国の役割に焦点をあて、ロシア極東地域と中国東北地域へのスタディ・ツアーと、中国、韓国、ロシア、日本から研究者を招へいしての共同研究ワークショップを行いました。2年度目には、貿易・投資の活性化という観点から、起業家育成をテーマとしたワークショップを開催しました。また、東南アジアで起業家育成の経験を学ぶため、モンゴルの国会議員2人をマレーシア、シンガポールに派遣しました。さらに、調査研究能力の強化を図るため、日本人のモンゴル研究者を特別研究員としてMDRCに派遣しました。
本年度は、政策提言書のドラフトを作成し、2005年8月に、日本、韓国、中国など海外の専門家とモンゴル国内の専門家15人を招いて、政策提言書案についての意見交換会議を開催しました。10月には、中国(北京、天津)と韓国(ソウル)へのスタディ・ツアーを行い、中国社会科学院、延世大学などで専門家と意見交換を行いました。これらの内容を反映した政策提言書最終版は、06年2月の国際会議で、出席したナンバリン・エンフバヤル大統領に直接手渡され、モンゴル政府の最高レベルにまで事業成果を示すことができました。また、モンゴル政府、メディアへの働きかけを行い、現地の新聞に政策提言書の全文が掲載されました。政策提言書には、政治・安全保障、経済などの分野に加え、北東アジアにおける地域間協力についての賢人会議「ウランバートル・フォーラム」の立ち上げなどの内容が含まれています。モンゴルには、今後も北東アジアと中央アジアをつなぐ回廊として、またロシア、中国、日本、米国の間に立って、北東アジア地域の安定に寄与するユニークな役割を果たすことが期待されています。

事業実施者 Mongolian Development Research Center(MDRC)(モンゴル開発研究センター/モンゴル) 年数 3年継続事業の3年目(3/3)
形態 自主助成委託その他 事業費 6,573,085円