事業内容
市場経済への移行を目指している現在のベトナムの核心的な問題の一つは、従来の指令性計画に代わる市場経済のマクロコントロールの樹立です。その中心的問題は、①マクロコントロールを実効あるものにするための各種の金融財政インフラの創設とシステムとしての運営方法、②システムを稼働させる金融財政政策(それ自体の立案)、と広範な領域にわたります。これらの課題を解決するため、ベトナム政府は92年11月に第1副首相を議長とする「ベトナム国家財政金融評議会(SFMC)」を設立しています。
この事業は、SFMCからの要請に基づいて日越合同の研究チームを組織し、ベトナム側研究チームによる日本の財政金融制度・政策の研究、日本側研究チームによるSFMCへの改革提言を3年間にわたって支援していくことを目的にスタートしました。
94年度は、日越研究グループを設立し、4回にわたって共同研究会(94年度のテーマは、インフレのコントロール、銀行制度改革、資本市場の創設、の三つ)を開催し、日越双方のグループが報告書を作成してベトナム政府への提言を行いました。
成果
事業の成果としては、
- ベトナム国内の実情に応じた政策の提言を行い、かつ実際の立法化に結びついたこと
- 日越双方の専門家の人的ネットワークが結成できたこと、特に日本側アドバイザーとして柿澤弘治元外務大臣、寺澤芳男元経済企画庁長官、行天豊雄東京銀行会長の協力を得たこと
- ベトナム国内の政策担当者によって最新の報告書が作成され、それが日本ばかりでなく世界各国のベトナム経済専門家のための最新資料になったこと
などが上げられます。
事業実施者 |
笹川平和財団
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年数 |
3年継続事業の1年目(1/3) |
形態 |
自主助成委託その他 |
事業費 |
24,718,184円 |