インドシナ各国は、アセアンへの加盟に向かって動き出しました。1995年度、その年にアセアン加盟を果たしたベトナム一国を対象にスタートした本事業ですが、以後「アセアン10ヵ国体制」を目指す南東アジア地域のダイナミズムに呼応する形で事業を拡大してきました。1996年度は、ベトナムに加え、1997年7月以降にアセアン参加が予定されているカンボジア、ラオスの2ヵ国を対象国として迎え入れ、文字通り事業のタイトルである「アセアン加盟支援」を日本およびアセアン各国政府の援助を先取りする形で展開することができました。2年目のベトナムでは、世界経済研究所と共同でセミナーを開催し、研究者の立場からベトナムのAFTA対策を自由大胆に論議すると共に、今回はじめてダナンで開催したセミナーは、国際支援が届きにくい中部ベトナムにおけるAFTA関連知識の流布に貢献したと言えます。また、ラオス、およびカンボジア国内においては、本事業がアセアン加盟に焦点を絞った初の試みとなったため、セミナーを通じて関係者の関心も高まり、以後の両国のアセアン加盟準備体制に拍車をかける契機を作ることになりました。ラオスに対しては専門家を対象としたアセアン視察も実施しました。 1997年度にはミャンマーも参加することが決定しています。