事業紹介

2008年
事業

中央ユーラシア地域の若手指導者育成/フェーズⅡ

事業内容
中央ユーラシア地域(中央アジア・コーカサスおよびその周辺)の国々には、いまだ安全保障、国際犯罪、テロリズム、環境問題など多くの課題が山積しています。本事業は、そうした課題に対処できる次世代の指導者育成に寄与することを目的としています。
事業1年目は、イスタンブールのコチ大学で「中央ユーラシア指導者アカデミー(CELA)研修」を開催し、中央ユーラシア地域の政府、企業、NGOなど約40名(男女同数)が参加し、リーダーシップに関する訓練に焦点を当てた活発な議論が行われました。また、キルギスでCELA研修参加者がリトリート会議を開催し、中央アジアの経験を他の参加者と共有しました。2年目には、再度コチ大学でCELA研修を実施するとともに、タジキスタンにてCELA研修参加者によるリトリート会議を行ったほか、タジキスタンのNGOに対する経験移転のセミナーを開催しました。
3年事業の最終年度である本年度は、2008年7月16~25日に、当該地域の政府、NGO、ジャーナリストなど38名の参加を得て、引き続きコチ大学でCELA研修を実施しました。今回の参加者は700名の申込者から選抜され、その半数は当該地域の諸課題へ主導的に取り組んでいる金融ビジネスなどの実務家が占めました。研修では、トルコの実務家であるコカ・コーラ社のアフメット・ボザ社長や、アビバ観光総合企業のメラル・エゲメン社長のほか、英国総領事のバーバル・バイ氏が基調講演をしました。また、各参加者がチームをつくり、専門家の協力を得て、リーダーシップのあり方やリーダーの条件について活発な議論を交わしました。参加者は講義や議論を通じてリーダーシップに関する自己分析、コミュニケーション論、危機管理論などの知識を習得するとともに、ロールプレイングを通じたリーダーシップの実践などについて学びました。
本事業を通じて構築された若手人材のネットワークは、ポスト・ソ連時代における中央アジア・コーカサス地域での非公式対話のチャンネルとして活用され、関係者間での信頼醸成に貢献することができました。また、中央アジア・コーカサス地域だけではなく、本事業に参加した欧米やアジアとの人脈も開拓され、ユーラシア全域にまたがる広範なネットワークが構築されました。参加者の中から大臣や公営企業体の総裁が誕生するなど、本事業を通じた若手指導者の育成が既に実を結びつつあります。

事業実施者 Global Network Foundation(米国) 年数 3年継続事業の3年目(3/3)
形態 自主助成委託その他 事業費 16,774,300円