事業紹介

2010年
事業

ミャンマーの公務員研修

事業概要
ミャンマーでは、2010年秋口に総選挙の実施が予想され、国家体制が大きく変化する可能性がある。国家体制の移行プロセスにおいて中堅・上級公務員の果たす役割は大きく、その能力向上は重要である。本事業は、体制が移行する中、重要な役割を担う中堅・上級公務員の能力向上を図ることを目的とする。事業の一部については、ミャンマー公務員選抜訓練機構(CSSTB)に委託することで、公務員能力の向上に取り組む同機構の能力そのものの強化も支援する。
実施計画
3年度事業の2年度目である本年度は、以下の活動を行う。
  • ミャンマー公務員の能力向上ワークショップの実施(CSSTBへの業務委託):
    • ワークショップ(WS)開催(年1回、1週間):中堅・上級幹部公務員約60名を対象に能力向上を目的とするWSを開催する。アジア各国の専門家が公共部門の役割や人的資源開発をテーマに講師を務める。
    • 成果共有のためのWS開催(2月):約60名の公務員を対象に海外研修視察の成果を報告するWSを開催する。
    • ASEAN主催第15回ACCSM会議(行政官研修会議)への派遣(8月、5名)
    • CSSTB役職員のインド派遣:研修視察に係わる調整を行うために役職員を派遣する(3名)。
    • TOT(指導者養成)コースの実施:公務員育成に携わる講師の能力向上コースを実施する。
    • 行政サービスに関する定期刊行物出版および研修教材の開発
  • 海外研修視察 :インドなどの公務員研修機関に各15名を派遣する(9月、11月)。
  • カントリーコーディネーターとしての連絡調整活動:事業の円滑な運営のため、元外務省ASEAN局長のAye Lwin氏に業務委託する。
  • 上記活動に関わるモニタリング・調整
実施内容
・7月27日~8月20日にネピドーでToT(Training of Trainers)コースを開講、約30名の現役講師などが参加しました。また、同時期にラオスで開催された第16回ACCSM(ASEAN Conference on Civil Service Matters)にCSSTB職員が参加し、ミャンマーの行政制度に関する報告を行いました。
・12月6日~10日にネピドーで「公務員能力向上のためのワークショップ」を開催しました。今回のワークショップでは、「公共部門におけるより良いサービス提供に向けた組織運営の強化」、「国家発展のためのE-ガバメント」、「発展に向けた制度構築および公共政策の促進」の3つのテーマについて、インド、シンガポール、マレーシア、日本、ミャンマーの専門家9名が、各国の現状や課題に関する講義を行いました。ワークショップには、各省庁の部課長クラスの中堅幹部職員60名が参加しました。参加者は各専門家による講義をミャンマーの国づくりに生かそうと、それぞれの分野における問題分析や課題解決の手法を熱心に学び、グループ・ディスカッションは熱気に満ちたものとなりました。
事業結果・成果
本事業は、ミャンマーの中堅・上級公務員の能力の強化を目的とし、日本人専門家などによるワークショップや海外研修視察を行うものです。事業実施にあたり、ワークショップの開催と海外研修視察業務の一部をミャンマーの公務員選抜機構(CSSTB)などに委託しました。

2010年7月には、ミャンマーの公務員研修を担当する指導者に対するトレーニングのためのワークショップ「指導者研修コース」を実施しました。また12月には、「公共サービスの向上、eガバメント」などをテーマにした公務員の能力向上ワークショップがネピドーで実施されました。

海外研修としては、人事制度などを学ぶために2011年1月から2月にかけてインドに中堅公務員15名を派遣しました。また、第15回ASEAN行政官研修会議にCSSTB職員を2名を派遣して、ミャンマーの行政改革の現状についての報告を行いました。その他、行政サービスに関する定期刊行物の出版と公務員研修教材の開発などを行いました。

事業実施者 笹川平和財団 ミャンマー公務員選抜訓練機構(CSSTB)(ミャンマー) 年数 3年継続事業の2年目(2/3)
形態 自主助成委託その他 事業費 13,560,838円