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国際海洋情報(2023年1月6日号)

1.独:エネルギー転換に必要な希少原材料を確保するための戦略を刷新へ

今後エネルギー転換を進めるにあたって不可欠となる希少原材料については、需要が急増することが予測される中、1月3日、独政府は、諸外国への希少原材料への依存を減らし、供給不足を回避するために、独政府の原材料戦略を刷新すると発表した。リチウム・レアアース・黒鉛などの希少原材料に対する需要は、今後急増することが予想され、例えばIEAによれば、バッテリー生産に不可欠なリチウムの需要は、2040年までに現在の42倍に跳ね上がることが予想されるが、独を含む欧州諸国は、これらの気象原料の輸入を非民主主義的な国家に依存している。ドイツは、希少な原料とみなされる27の素材中、21の素材については、100%輸入に依存しているが、現在、独では希少原料を使用した製品の約13.4%しかリサイクルしておらず、欧州委員会は希少原料のリサイクル率を2倍に引き上げることを提案している。

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Euractiv (1/6)


2.欧州:記録的暖冬で多くのスキー場が閉鎖に追い込まれる

欧州の8か国で1月としては最も温かい気温を記録し、例えばスイスの一部や独の南部では気温が20度を超え、フランス国内の90の観測地点では、新年初めとしては最高気温を記録した。今週末にスキーのワールドカップが開催されるスイスのアーデルボーデンでは、標高2000m以上でも気温が氷点下を上回り、競技コースの雪はすべて人工雪が使用されている。フランスでも年末としては最高の気温を記録し、降雨量も多かったため、全スキー場の半分が閉鎖を余儀なくされている。

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The Guardian (1/6)


3.AFS条約改正:1/1からシブトリンの防汚塗料としての使用が禁止

船体の防汚塗料としてシブトリンを使用することを禁じる船舶の有害な防汚方法の管理に関する条約(AFS条約)の改正が1月1日から発効した。シブトリンについては、環境や生態系に与えるについて既に多くの研究が公表され、場合によっては既に使用が禁止されているトリブチルスズ(TBT)より有毒性が高く、海底に堆積して長期間にわたって生態系に悪影響を与えることが判明している。新造船については1月1日から直ちに、既存船については、1月1日以降到来する最初の定期防汚方法更新審査の際に、シブトリンを含む防汚塗料を取り除くか、その上から、シブトリンを含む防汚塗料の上からコーティングする塗料を塗布する必要がある。

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ABS (1/6)


4.ブラジル新政権:アマゾンの森林の違法伐採禁止を徹底へ

新政権の環境大臣は、森林伐採防止担当の特任閣僚を設置し、気候変動対策を担当する新たな組織を環境省内に設立すると発表した。新政権は1月1日から始動し、気候変動緩和対策として重要な役割を果たすアマゾンの森林の伐採を防止することを宣言し、極右の前政権による環境保護規制を骨抜きにし、アマゾンの森林伐採を過去15年間で最大にした政策を全面的に撤回することを表明した。新環境大臣はLula大統領の第1次・第2次政権でも5年間、環境大臣を務め、森林伐採を大幅に減少させた実績を持ち、新政権においても違法な森林伐採を厳しく取り締まる方針。EUは無秩序なアマゾンの森林の違法伐採を懸念して、南米諸国による貿易圏であるメルスコールとの自由貿易協定の締結交渉を停止しているが、ブラジルがアマゾンの森林の違法伐採の禁止を徹底し、環境保護のリーダーになることによって、EUとの自由貿易交渉が促進されることが期待できる。

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Reuters (1/6)


国内ニュース

1.日本郵船:浮体式アンモニア貯蔵再ガス化設備搭載バージの基本設計承認を取得
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1月5日、日本郵船