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国際海洋情報(2022年10月2日号)

1.UNEP:Scaling Blended Finance

10兆ドル(約1440兆円)以上の運用資産を有する世界の70以上の機関投資家によって構成される国連Net-Zero Asset Owner Allianceが各国の政策決定者に向けて、標記提案書を発表したところその概要は以下のとおり。①Emerging Markets and Developing Economiesにおいては投資リスクが高すぎて、出資者に対して配当を行う義務がある機関投資家としては投資ができないので、投資に欠損が出た場合、最初にリスクを埋める資金を十分に政府や慈善団体が提供し投資リスクが減れば、機関投資家による投資も可能となる。(Blended Finance)②国際開発金融機関(MDBs)と開発金融機関(DFIs)による最新の民間投資誘発実績は、210億ドル(約3兆円)にすぎず、両機関のガバナンスとビジネスモデルを近代化して、民間投資誘発効果を高める。③MDBsとDFIsが蓄積しているGlobal Emerging Markets’ Risk Databaseなどの信用情報を公開し、機関投資家が投資のリスクを正確に把握できるようにする。

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UNEP (10/2)


2.ノルウェー:洋上石油ガス掘削施設の警備支援をNATO諸国に要請

ノルウェーの首相は、Nord Streamの破壊行為を踏まえ、同国の洋上石油ガス施設の警備支援をNATO諸国に要請し、独・仏・英から支援の回答を得たと発表した。米国大統領は、9月30日、Nord Streamについて、犯人を名指しはせずに意図的な破壊行為であると言明し、同盟国と原因究明に努めるとともに、米国の潜水士を現場に派遣すると言明した。欧州委員会委員長も、今回の破壊工作は、欧州のエネルギーインフラに対する意図的な妨害行為であると非難した。

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Politico (10/2)


3.英国:6000万ポンドで第3次Clean Maritime Demonstration Competitionを開始

2020年の実績では、英国の内航船は、鉄道とバスが排出したGHGの合算量より多く、国内のGHG排出量の約5%にあたるGHGを排出したが、9月29日の世界海事記念日に英国の新運輸大臣は、6000万ポンド(約97億円)の予算で、GHGを排出しない船舶・代替燃料・港湾における代替燃料供給インフラなどの実証実験を対象に、2023年4月から2025年3月までを対象期間とする第3次Clean Maritime Demonstration Competition (CMDC)の募集を 開始するとニューヨークのAtlantic Future Forumで発表した。また、同時に2022年5月に募集が開始された第2次CMDCの結果も発表され、121の英国の企業が総額1200万ポンド(約19億円)の支援を受けることが発表された。このうち、3つの事業は、COP26で24か国が、代替燃料を供給できる港湾の回廊(green shipping corridor)を創設することに合意したClydebank宣言の実現のために実施される。

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英国政府 (10/2)


4.欧州6か国の港湾が洋上風力発電施設建設促進のために連携

ベルギー・デンマーク・ドイツ・オランダの4か国はEsbjerg宣言として、2030年までに65GW、2050年までに150GWの洋上風力発電施設を北海に建設し、北海を「欧州の緑の発電所」として、エネルギーハブを中心に複数の洋上エネルギー事業を連結し、電力とグリーン水素を各国間で融通しあうことに合意しているが、これらの洋上風力発電施設の建設・保守管理を支援する港湾の能力不足の問題を解決するために、デンマークのEsbjerg港が中心となって、ベルギーのOostende港・オランダのGroningen Seaports/Eemshaven港・ドイツのNiedersachsen Port/Cuxhaven港・フランスのNante-Saint Nazaire港・英国のHumber港が連携していくことが、9月27日にWindEnergy Hamburgで合意された。6港の代表は年に2回会合をもって、知識と経験を共有する。

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Offshore Wind (10/2)


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