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国際海洋情報(2022年9月28日号)

1.英国:削減目標維持のまま自主的なCO₂削減目標(NDC)をUNFCCCに提出

昨年のCOP26で約200か国がGlasgow Climate Pactに合意し、地球の気温上昇を産業革命以前と比較して1.5℃以内に抑制するためには、緊急に行動する必要があることを確認し、パリ協定の目的に従い、2030年までのCO₂削減目標について再検討し、2022年末までに国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)に提出することに合意した。この合意に従い、英国政府は見直しを実施し、9月23日、UNFCCC事務局に自主的なCO₂削減目標(NDC)を再提出したが、1990年の実績比で2030年までにCO₂排出量を68%削減するという目標は維持することとした。一方で、国際的なbest practiceとパリ協定のrulebookに従い、明確性・透明性・理解性を促進するための情報(ICTU)を、英国が実際に2030年までにどのようにNDCの目標を達成するかなどいくつかの重要項目について追加した。

原文

英国政府 (9/28)


2.IRENA:2021年に再生可能エネの雇用人口は世界で70万人増加し1270万人に

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、国際労働機関(ILO)と連携して、米国ピッツバーグで開催されたGlobal Clean Energy Action Forumで「再生可能エネルギーと雇用:Annual Review 2022」報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①パンデミックの影響が残り、エネルギー危機が進んだのにもかかわらず、2021年の1年間に、世界では再生可能エネルギー産業の雇用人口は70万人増えて1270万人となった。②中でも最も雇用が伸びたのは、太陽光発電で、2021年には、再生可能エネルギーで雇用される労働者の約1/3に当たる430万人が雇用されている。③サプライチェーンの混乱を受けて、多くの国が再生化可能エネルギーに関連する国内の雇用増大に取り組んでいるが、全世界の2/3の新たな再生可能エネの雇用がアジアで発生し、中でも中国が全世界の42%を占め、EUとブラジルがそれぞれ10%、米国とインドがそれぞれ7%で続いている。

原文

IRENA (9/28)


3.Clean Energy Maritime Hubs Initiativeが発足

9月21日から23日にかけて、米エネルギー大臣が主催し、29か国のエネルギー担当大臣と150人以上のCEO等が参加して開催されたクリーンエネルギー大臣会合において、国際海運会議所と国際港湾協会とCEOが中心となったClean Energy Maritime Taskforceは共同で、Clean Energy Maritime Hubs Initiativeを発足させた。イニシアティブは、海運value chainに係る港湾・海運・金融・エネルギー分野の官民の代表を集めたプラットフォームを開催する予定で、カナダとUAEの両国政府が、政府レベルではこのイニシアティブを主導し、世界が速やかにグリーン燃料と技術に転換することを促進することとなった。国際再生エネルギー機関が最近発表した報告書によれば、世界的なエネルギー転換に海運が果たす役割は重要で、2050年までに国際的に取引されるゼロ炭素燃料の50%以上は船舶で輸送される見込み。

原文

ICS (9/28)


4.ICS:Trade Policy Review 2022

標記報告書の概要は以下のとおり。①長引くウクライナにおける紛争の影響は、海運市場にも大きな影響を与え、今後とも海運活動に影響を及ぼす見込み。②本報告書の目的は、国際海運会議所(ICS)が世界の海運業界のために、自由貿易・公正な競争・市場参入の促進のために実施した主たる戦略的事業について、政策決定者がより正確で最新の情報を持つことを担保するもの。③Shipping Policy Principles for Pandemic Recoveryはパンデミックが船員に与えた影響など、パンデミックから得られた経験を踏まえた海運業界や政府への勧告をまとめたもの。④本報告書は、海上貿易の促進・海上保安・競争法などを含む業界横断的に重要な課題について、全体的な情報を取りまとめている。⑤また、地球温暖化対策については、海運の2050年炭素中立に向けて、国際的な課税制度や船舶金融などの優先課題についても本報告書は分析を行っている。

原文

ICS  (9/28)


国内情報

1.商船三井:「MAKING NET-ZERO AMMONIA POSSIBLE」に署名
https://www.mol.co.jp/pr/2022/22106.html


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