国際海洋情報(2022年3月7日号)
1.ICS:ロシア人とウクライナ人船員の不足が国際物流の混乱に拍車
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2.18年間で冬季の北極海の海氷の体積の1/3が失われる
Lidar(ICESat-2)とRadar(CryroSat-2)の情報を統合して、北極海の海氷の深さと積雪の深さを初めて予測した研究がAGUのGeophysical Research Lettersに発表されたが、ICESAT-2による観測が開始されてからの3年間だけで、冬季における北極海の海氷の体積が16%失われ、海氷の厚さも約50㎝薄くなったことが分かった。研究者たちは、衛星から観測した積雪の深さと海面上に出ている海氷の高さから、海氷の厚さを予測したが、この結果、従来の気候学に基づく海氷の厚さの予測方法は、実際の海氷の厚さより最大で20%(20cm)海氷の厚さを多く見積もっていたことが分かった。研究者は初代のICESatと新しい衛星の18年間の観測データーを分析した結果、多年生の海氷の減少によって、過去18年間で北極海の海氷の体積が約1/3(6000k㎥)失われたことが分かった。
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AGU (03/07)
3.マースクとオーステッドが米国で大規模なpower -to -X事業を実施
デンマークの電力事業者のオーステッドは、米国のメキシコ湾岸に陸上風力・太陽光による1.2GW規模の再生可能発電施設を建設したうえで、2025年下半期から年間30万トンの再生可能メタノールを生産し、マースクに長期間供給することに基本合意した。本契約はマースクにとって、2025年までに年間73万トン以上の再生可能メタノール燃料を確保するという計画の一部となる。両社は既に、コペンハーゲンにおいても同様の1.3GW規模の再生可能燃料の供給契約を締結している。
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Recharge (03/07)
4.世界的なエネルギー供給におけるロシアの位置づけ
ロシアは原油生産については、米国とサウジに次いで世界第3位の産油国で世界の12%の原油を生産し、天然ガスについては、米国に次いで世界第2位の生産国で、世界の17%の天然ガスを生産している。欧州はロシア産エネルギーの輸出先として極めて重要で、ロシアから輸出される天然ガスの約7割と原油の半分が欧州向けとなっている。その他の主要輸出先は、天然ガスがベラルーシ(8%)、中国(5%)、カザフスタン(5%)、日本(4%)など、原油が中国(31%)、韓国(6%)、ベラルーシ(6%)、日本(2%)などとなっている。欧州側から見ると、欧州が輸入する天然ガスの1/3以上がロシアから輸入されている。ロシアの財政に占める化石燃料の輸出収入の割合は40%を超えており、英国・EU・米国は、ロシア産の石油・ガスに対して、一日当たり合計で7億ドルの支払いをしている。過去30年間で見ると、欧州は天然ガス輸入量の40%、石油の1/4以上をロシアから輸入している。この間、ポーランドやフランスは段階的にロシアへの依存率を減, らしてきた一方で、ドイツやイタリアは逆に依存率を増やしてきた。
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Carbon Brief (03/07)
国内ニュース
1.商船三井:初のメタノールを燃料とする内航タンカー開発に関する戦略的提携に合意
原文
3月11日、商船三井
Webinar情報
1.Transport & Environment:
Green shipping- Nordic actions foster European and global zero emission
March 17
リンク詳細
2.Economist Impact: 7th Annual Sustainability Week
March 21-24
https://eventsregistration.economist.com/event/794ae119-be9a-4185-b2cd-83bad6be3146/regProcessStep1?rt=2doYuLJDI0mALmn_Ydi3Dg
3.Reuters: Transition Trends 2022
March 24, 14:00 GMT
https://events.reutersevents.com/energytransition/trends2022?utm_campaign=5426-08MAR22-WK14-TA-ASIAPAC&utm_medium=email&utm_source=Eloqua