国際海洋情報(2022年2月3日号)

1.EU ETS:欧州議会提案と海運業界の反応についてまとめ

標記について、新規情報は全くないのですが、ロイターがとても分かりやすく、的確かつ包括的に解説記事を作っていますので、素直な英語で読みやすいので、ご関心がある方は是非原文で読まれてください。構成は以下のとおりになっています。①なぜ海運はETSに含まれるべきか?②現在の欧州議会の提案の内容は?③提案に対する海運業界の反応は?

原文

Reuters (02/03)


2.米連邦裁判所:政府がオバマ時代の「気候リスク算定方法」を使用することを禁止

行政庁が新たな法令を作成し、事業を認可するにあたって、当該法令や事業の許可によって新たに発生する「GHGの社会的コスト」を算定する必要がある。「GHGの社会的コスト」には、例えば、温暖化による農業の生産性への影響や洪水のリスクが高まることによるインフラの損害など広範なコストが含まれうるが、トランプ政権の時代には、社会的コストをGHG排出1トン当たり10ドル以下に意図的に低く見積もっていたが、バイデン政権になってから、社会的なコストの算定方法を当面オバマ政権時代の算定方法に戻してトン当たり約50ドルに変更されていた。こうした変更に対して、共和党が支配する州が、連邦裁判所に提訴していたが、トランプ政権に任命されたルイジアナ州の連邦判事は、政府がオバマ時代に算定されていた社会的コストを暫定的に使用するのを禁止するとともに、当該コストの算定に当たって、米国内の環境損害だけでなく、地球全体としての環境損害を考慮することを禁ずると政府に命じた。

原文

Reuters (02/03)


3.One Ocean Summit:仏CMA CGMがプラスチックごみの輸送停止へ

仏のコンテナ海運会社のCMA CGMはプラスチックごみを年間約5万個のコンテナで輸送しているが、本年の国連環境総会(UNEA 5.2)においてプラスチックごみ問題に関する条約交渉が始まる見通しの中、2月11日、仏で開催されたOne Ocean Summitにおいて、プラごみの分類やリサイクルが十分に実施されていない国に、プラスチックごみが輸出されるのを防ぐため、本年6月からプラスチックごみの輸送を停止すると発表した。

原文

Reuters (02/03)


4.仏:新規原子炉6基を含む長期エネルギー計画を発表

2月10日、仏のマクロン大統領は、2050年までに太陽光発電を10倍の100GW以上に、新規洋上風力発電ファームを50か所建設して40GW以上に、EPR 2原子炉の6基建設を含む長期エネルギー計画を発表した。同大統領は、「40%エネルギー消費を節約したとしても、今後30年間で石油・天然ガスといった化石燃料の使用を中止するためには、現在化石燃料によって供給されているエネルギーの一部を電化する必要があり、現在の発電量と比べて、60%多い発電量を確保する必要がある。脱炭素化され、安全で、自国で生産できる電力を発電するため、複数の戦略が必要で、再生可能エネルギーについては、地元合意を得たうえで、必要な規制緩和を行い、2030年までに再生可能エネルギーのシェアを10%増やし、年末までに最初の洋上風力発電を稼働させ、多くの新規雇用を創出する。」と語った。

原文

Euractiv (02/03)


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