国際海洋情報(2022年1月12日号)
1.エクアドルがガラパゴス諸島周辺の海洋保護区を大幅に拡大
現在のガラパゴス海洋保護区は、約13.8万㎢と世界でも最大級の海洋保護区だが、昨年のCOP 26でエクアドルは近隣のコロンビア・コスタリカ・パナマと、気候変動と商業漁業によって、生存が脅かされている魚類が回遊できるように、共通の海洋保護区の回廊を作ることに合意した。この合意を実現する第一段階として、1月14日、エクアドル政府はガラパゴス諸島周辺の海洋保護区をさらに6万㎢拡大すると発表した。今回の海洋保護区の拡大によって、シュモクザメ・ジンベエザメ・ウミガメやガラパゴス諸島とコスタリカのココス諸島の間を回遊する魚類などが保護されるが、ガラパゴス諸島沖に毎年ダイオウイカ漁のためにやってくる300隻の中国の漁船業団を制限することはできない。
原文
Reuters (01/12)
2.ICS:IRENAとパートナーシップ協定を締結
国際海運会議所(ICS)と国際再生エネルギー機関(IRENA)は、1月17日、パートナーシップ協定を締結し、今後2年間、再生可能エネルギーに関する技術を活用して、海運分野の脱炭素化を支援するための枠組みについて合意した。海運分野に関わるエネルギーの需給状況や各国政府や海運業界によるグリーン水素やアンモニアなどの代替燃料に関する戦略について、両機関は定期的に情報交換を実施する。両機関は、特に後進国が先進国と同様海運のエネルギー転換を進められるよう、途上国の人材の育成支援にも力を入れる。COP26においてICSは海運分野におけるゼロ炭素燃料の研究開発には約50億ドルが必要であると表明し、IRENAは舶用燃料を再生可能エネルギーから生産される水素・アンモニア・電力に置き換えることによって、2050年までに海運から排出されるGHG の8割を削減することが可能と表明している。
原文
ICS (01/12)
3.ONE:コンテナ船の荷崩れにより大西洋上で60個のコンテナを喪失
ONEは、1月7日、同社が運航する13900teuのコンテナ船Madrid Bridgeが、アジアから米国東岸に向かう途中、大西洋上で荷崩れを起こし、約60個のコンテナを失い、さらに80個が損傷したと発表した。同船は現在米国東岸に向けて航行を続けており、順調にいけばチャールストン港に寄港して、同船の状況を調査し、損傷したコンテナの積み下ろしを行う予定。
原文
The Loadstar (01/12)
4.スコットランド:浮体式を中心に25GW分の洋上風力発電事業を認可
英国王室領である大陸棚を管理するCrown Estate Scotlandは洋上風力発電のための大陸棚の開発利用権の競争入札の結果を、1月17日発表した。競争入札の対象となった15海域(8600㎢)に対して、74件の入札があったが、17の事業計画(合計海域7000㎢、合計発電量25GW)について、特定海域の大陸棚において洋上風力発電施設を建設・運営する権利を与える選択協定締結権を認めると発表した。許可された25GWの事業計画のうち、浮体式洋上風力発電事業が15GWと過半数を超えるのが注目される。開発事業者は開発権の見返りとして、選択料金(Option Fee: OP)を支払う必要があるが、最近英国(イングランド)で行われた第4次入札の時の様な高額のOPを設定すると、巡り巡って最終的には電気を利用する消費者の負担が増すので、再生可能電力の価格を適正なものとするため、スコットランドでは、OPの上限を10万ポンド(約1570万円)/㎢と低く設定してある。
原文
Wind Europe (01/12)
Webinar情報
1.Economist Impact: Beyond Supply Chains: Look at visibility and sustainability
January 26
https://eventsregistration.economist.com/event/3cd485b3-d80b-4da4-9851-469a74881bbb/regProcessStep1:9585f1e8-c365-4aaf-a592-c008adcc6e6a?rp=d3a55e4b-b045-4ed7-90aa-e859db8b8c74
2.Economist Impact: 7th Annual Sustainability Week
March 21-24
https://eventsregistration.economist.com/event/794ae119-be9a-4185-b2cd-83bad6be3146/regProcessStep1?rt=2doYuLJDI0mALmn_Ydi3Dg