国際海洋情報（2022年1月7日号）

１．コロナによる港湾労働者不足でNY/NJ港でも待機期間が３倍に

NY/NJ港における昨年１年間の錨泊地における待機期間の平均は1.6日だったが、最近では1日当たり350人の港湾労働者がコロナ感染による隔離で職場を離脱しており、待機期間が約3倍の4.75日になっている。一方で、隔離期間が終了した港湾労働者が職場に復帰し、クルーズ船の運航中止で、クルーズ船ターミナルで働いていた労働者を活用して、影響を最小限に食い止めており、今年に入ってからも錨泊地で待機しているコンテナ船の数は12隻程度で抑制されている。一方、西岸のLA/LB港では、待機期間はこれまで最長の23.4日となり、1月7日の段階で入港待ちの船舶数は105隻となっている。待機期間の長期化に伴い、運賃も再び上昇に転じており、上海＝LA間の運賃は4週間連続で上昇し、10月末以来の水準となっている。

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gCaptain (Bloomberg) (01/07)

２．バイデン大統領：コロラドの山火事は地球温暖化のCode Red

昨年末にコロラド州で発生した草原の火事では、1000軒以上の住宅を焼き尽くし、2名が行方不明となり、被害額では過去最悪の山火事となった。デンバーの州都の北縁に位置するBoulder Countyでは、強い季節風にあおられて、干ばつで乾燥した草地が一気に2400ha焼失した。バイデン大統領夫妻は1月7日被災地を訪れて、「この山火事は地球温暖化による干ばつと気温上昇の結果であり、人類にとって最新の警告(Code Red)である。」と述べた。コロラド州では通常降雪と低温によって、山火事の季節は冬に入る前に終了するが、気温の上昇によって、米国の西部の一部では通常より、草木が乾燥した状態で着火しやすい状態だった。山火事の損害額は、住宅だけで5億ドル以上、全体の保険金支払額は、10億ドルを超える見込みで、バイデン大統領は今回の山火事を大規模災害に認定し、住民や事業者が再起できるよう連邦資金で支援すると約束した。

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Reuters (01/07)

３．Copernicus：2021年は史上5番目に暑い年に

EUの衛星気象観測サービスであるCopernicus Climate Change Serviceによれば、2021年は史上5番目に暑い年となり、2021年の平均気温を産業革命以前の気温と比較すると、既に1.1-1.2℃上昇している。2021年には、太平洋で海面の表面温度が下がるラ・ニーニャ現象が発生したため、シベリア・アラスカ・中/東欧では、平年より気温が低くなった。一方、欧州では、7月と8月に、ギリシャ・スペイン・イタリアなどの地中海諸国が熱波に襲われ、シチリアではこれまでの欧州最高気温記録を0.8℃も上回る48.8℃を記録し、トルコ・ギリシャ・イタリア・チュニジア・アルジェリアでは大規模な山火事が発生した。一方、ドイツ・ベルギー・オランダでは大規模な洪水が発生した。大気中のCO₂濃度は、2020年とほぼ同じ速度で増加し、2021年には、414.3PPMとなり、さらにCO₂より強いGHGであるメタンの濃度も史上最高の1876PPBとなり、増加の勢いが収まる気配がない。

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BBC (01/07)

４．マースク炭素中立目標を2050年から2040年に繰り上げ

マースクは科学的目標達成イニシアティブ（SBTi）による地球温度の上昇を1.5℃以内に抑制する行程に従って新たなGHG削減目標を立て、炭素中立達成目標を従来の2050年から2040年に繰り上げると発表した。2030年までの短期目標も、コンテナ輸送1個当たりのGHG排出量を対2020年実績比で半減し、同社が完全に管理するコンテナターミナルから排出されるGHG排出量も70%削減する。今後の海上輸送量全体の伸びにもよるが、以上の措置によって、マースクの物流チェーン全体のGHG排出量を2030年までに年間500万トン減らし、対2020年実績比で35%から50%削減することができるとしている。さらにグリーンな輸送を希望する同社の顧客に対応するため、海上輸送に使用する燃料の25%をグリーンな燃料とし、航空輸送については、貨物の30%を持続可能な航空燃料(SAF)を使用し、倉庫などの契約事業者や保冷物流については、最低90%をグリーンなオペレーションとする。

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Maersk (01/07)

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