国際海洋情報(2021年12月20日号)

1.韓国のSOx排出管理海域(SECAs)が2020年から実施

韓国の現行規制では、仁川港・平沢/唐津港・麗水/光陽港・釜山港・蔚山港内で錨泊・接岸する船舶に限定して、硫黄分0.1%以下のバンカーの使用が求められているが、2022年1月1日から、上記港湾周辺に設定されたSOx排出管理海域(SECAs)を航行するすべての船舶は硫黄分0.1%以下のバンカーの使用が求められる。但し、規制適合油を使用する代わりに、スクラバーの使用も認められ、現時点では開放型スクラバーの洗浄水排水に関する規制もない。スクラバーを使用しない船舶はSECAに入域する前に硫黄分0.5%以下のバンカーを規制適合油に交換する必要がある。この規制に反した場合は、最長1年以内の懲役and/or 最大1000万ウォン(約96万円)の罰金刑が課せられる可能性がある。

原文

December 20, 2021, The Standard Club


2.オミクロン株によってカリブ海・米国西岸のクルーズが影響を受ける

米国でワクチンが効かないオミクロン株の感染が拡大するにしたがって、クルーズ船における小さい感染クラスターが発生し、カリブ海・米国西岸クルーズの運航に支障をきたしている。Holland America社が運航するKoningsdam号では、21名の乗員の感染が判明したため、太平洋に面するメキシコのプエルト・バヤルタ港の港湾管理当局は、旅客にも感染が広がっている可能性があることから寄港を拒否したため、同船は母港であるサンディエゴに戻って、すべての乗客を下船させた。Carnival Cruise LineもCarnival Freedom号で乗客を含む少数の感染者が確認され、カリブ海諸国から寄港を拒否された。フロリダ州では、デルタ株の感染ピーク時の5000人をはるかに超える3.3万人の新規感染が確認されている。

原文

December 20, 2021, The Maritime Executive


3.北極海の海氷の消失により毎年ロシアの海岸が7000haずつ浸食

ロシア国家北極海開発委員会はモスクワ大学の研究結果として、北極圏の温暖化に伴う海氷の融解により、毎年約7000haの海岸が水没していると発表した。かつては、凍結した崖が北極海沿岸に存在し、海岸を浸食から守ってきたが、海氷の減少によって、波による海岸の浸食力が強まり、凍結した崖が消えて、浅い海岸となり、海岸の浸食が進んでいる。北極海では、世界の3倍の速度で温暖化が進み、その結果、海面が上昇して、海岸の永久凍土の融解を促進している。このような傾向は既に1960年代から認知されていたが、近年の急速な海氷の減少によって、急激な海岸浸食が進んでいる。その結果、例えばバレンツ海の南東にあるコルグエフ島では毎年2mの速度で海岸線が後退しているが、東シベリアの海岸の一部では、さらに年間15-20mの速度で海岸が侵食されている。

原文

December 20, 2021, The Barents Observer


4.Poseidon Principles for Marine Insuranceが発足

海運業界のエネルギー転換を支援し、海運会社によるCO₂削減の透明性を高めるために、有志の金融機関がGreen Financeを進めるPoseidon Principles を設立しているが、その海上保険版として、12月15日、Gardをはじめとする6つの海上保険会社が、Poseidon Principles for Marine Insurance(PPMI)を結成した。PPMI参加保険会社は、自社が保険を引き受けている海運会社のCO₂削減実績を把握し、その情報を公開することにより、炭素中立保険連合(Net-Zero Insurance Alliance: NZIA)の目標である保険会社自身が2050年までに保険引受先の企業のすべてを炭素中立化するという目標の実現に資する。

原文

December 20, 2021, Poseidon Principles


国内ニュース

1.三菱商事が率いる連合体が秋田・千葉の3件の洋上風力発電を独占落札
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12月24日、三菱商事

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12月24日、三菱商事

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12月24日、三菱商事


2.日本海事協会:鋼船規則等の一部改正の公表(2021年12月27日付)
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12月27日、日本海事協会


3.住友商事:シンガポールにおけるアンモニア燃料事業の共同開発に関する覚書を締結
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12月27日、住友商事


4.旭タンカー:次世代内航電気推進タンカー船「あさひ」命名・進水式について
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12月23日、旭タンカー


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