国際海洋情報(2021年11月9日号)

1.The Global Commitment 2021 Progress Report

Ellen MacArthur 基金が主導し、国連環境計画と連携して、500以上の組織が参加したthe Global Commitment (GC)は、プラスチックの循環型経済を作ることを目標としているが、同基金は11月16日、標記報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①GCの参加企業については、virgin plasticの使用量は減少に転じて、2025年に向けてさらに急速に減少する見込み。②virgin plastic使用量の減少の原因は、概ねリサイクル率が上がったことだが、プラごみ問題を解決するためには、使い捨てプラスチックによるパッケージの廃止が必要。③プラごみを無くすためには、有志企業や先進的な国々による自主的な取り組みでは足らない。約80の先進企業と約100の先進的な国家は、プラごみを削減するための世界的な協定を作成するための交渉を2022年から開始することを支持しており、2022年2月に開催される予定の国連環境総会が、その良い機会となる。

原文
November 16, 2021, Ellen MacArthur Foundation

2.米EPA:National Recycling Strategyを発表

米国環境保護庁(EPA)は、11月15日標記戦略を発表したところその概要は以下のとおり。①米国リサイクル戦略(NRA)は、民生固形ごみ(MSW)のリサイクルの強化と促進に重点を置き、米国内により強固で、災害に強く、経済効率の良いリサイクルシステムを作ることを目標とする。②具体的には、リサイクルが可能な材料・製品の市場拡大を図り、製品やパッケージにリサイクルされた材料が使用されるように促進する。③リサイクルできるごみの収集量を増やし、ごみを加工する施設の効率化を図る。④リサイクルの対象となるごみに不純物が混じるのを防ぎ、リサイクルで生産された製品の品質向上を図る。⑤リサイクルに関する事業や政策に関する情報を連邦・州・地域レベルで共有する。⑥リサイクルシステムの効率性を評価する方法を標準化し、情報量を増やす。

原文

November 15, 2021, EPA


3.FMC:海上貨物サプライチェーンの効率化のために情報の問題点を調査

米国連邦海事委員会(FMC)は、海上貨物の速やかな物流を阻害し、サプライチェーンを非効率化している情報の問題点を特定し、改善することによって、長期的な国内貨物配送システムの信頼度を上げるための調査を開始すると11月15日発表した。調査結果を踏まえて、外航海運サプライチェーンに使用される共通情報基準と、海洋サプライチェーン全般にわたる情報の共有を合理化するための情報アクセスに関する政策と方法に関する勧告を提案することを目指している。この調査はFMCの委員長の指示の下に行われ、問題点の分析に関する第一段階の調査結果は、来年春に開催される海事データサミットで公表することを予定している。

原文

November 15, 2021, FMC


4.中国政府:再生可能エネルギーに対する2022年の補助予算額は約38.7億元に

11月16日の中国国営放送は、中国政府が2022年に再生可能エネルギーに対し支払う補助金額が38.7億元(約693億円)になる見込みであると報道した。具体的には、風力発電に15.5億元(約277億円)、太陽光発電に22.8億元(約408億円)、バイオマス発電に3820万元(約6.8億円)の補助金が分配される予定。

原文

November 16, 2021, Reuters


Webinar情報

1.UN Conference Ocean Decade Kickoff Conference for the Western Pacific
November 25-26
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