国際海洋情報(2021年10月29日号)
1.INTERCARGO:MEPCに向けて脱炭素に関する基本的立場を表明
原文
2.COP 26:First Movers Coalitionが結成
米国政府と世界経済フォーラムが主導して、いまだ実用化されていない革新的な技術を利用する経済的な力がある世界の主要先進企業25社が、First Movers Coalition (FMC)を結成したことが、11月4日、COP 26で発表された。FMCは鉄鋼・トラック輸送・海運・航空・セメント・化学といったエネルギー多消費型で電化による炭素中立化が難しい7分野と、大気中から直接GHGを回収する技術の8分野を重点技術開発分野としている。早速、鉄鋼・トラック輸送・海運・航空の4分野について、第1段階の分野別の約束(commitments)を決定し、実行段階に入った。海運分野については、マースクなどの参加海運会社は、2030年までに、外航船が使用する船舶燃料の5%以上をゼロエミ燃料とし、同燃料を使用できる船舶を使用すること。参加荷主企業は、2030年までに、外航海運で輸送する貨物の10%以上をゼロエミ船で輸送し、2040年までにこの比率を100%に引き上げることが約束されている。
原文
November 4, 2021, 米国国務省
3.COP 26:Long Duration Energy Storage Councilが発足
10時間以上エネルギーを貯めておくことができるシステムを「長期間エネルギー貯蔵システム(LDES)」というが、BP・Siemens Energyや電力企業・再生可能エネ開発事業者・投資企業などの25社のCEOが、再生可能エネルギーの課題である不安定性を解決し、化石燃料から再生エネルギーへの転換を促進するため、LDES 協議会を発足させた。同協議会は、2040年までに合計で85TWhから140TWhのLDESを整備することにより、化石燃料から再生可能エネへの転換を進め、発電事業から発生するGHGの10-15%にあたる1.5-2.3GTのGHG排出量の削減を目指し、併せて、再生可能エネルギー発電の不安定性を補う基盤(baseload)電力としての役割を担うことを目指している。
原文
November 5, 2021, Smart Energy
4.COP 26:20か国が海外における化石燃料事業への金融支援停止に合意
11月4日、COP 26において、米・加を含む20か国が、2022年末までに、排出されるCO₂を回収しない(unabated)海外における化石燃料関連事業に対する公的金融支援を停止し、代わりに再生可能エネルギーに投資することに合意した。G20による合意は、石炭関連の事業のみが金融支援の停止となっていたが、今回の合意では石油・天然ガスを含むすべての化石燃料に関する事業が対象となった。20か国には、カナダ・デンマーク・イタリア・フィンランド・コスタリカ・エチオピア・ガンビア・NZ・マーシャル諸島・英国・米国などが含まれるほか、欧州投資銀行など5つの国際開発金融機関が含まれる。しかし、G20の中で、海外の化石燃料事業に積極的に投資をしている中国・日本・韓国は今回の合意には参加しなかった。
原文
November 4, 2021, Reuters
国内ニュース
1.商船三井:アンモニア燃料「大型アンモニア輸送船」の開発に着手
原文
11月4日、商船三井
Webinar情報
1.COP 26: Virtual Ocean Pavilion
October 31-November 12
https://cop26oceanpavilion.vfairs.com/en/registration-form
2.UN Conference Ocean Decade Kickoff Conference for the Western Pacific
November 25-26
https://www.ioc-westpac.org/decade-kickoff-conference/registration/