国際海洋情報(2021年10月27日号)

1.イタリア政府:気候変動関連資金支援を3倍増にすることを発表

G20の議長国であるイタリアの首相は、今後5年間、気候変動に関する途上国への資金支援を現在の3倍に当たる14億ドルに拡大すると、10月29日、G20首脳会合の総括最終演説で発表した。先進国全体で年間1000億ドルの支援をすることを途上国に約束しており、専門家は、本来のイタリアの適正な分担額は40億ドルが相当で、14億ドルではまだ全然足りないと指摘している。

原文
November 1, 2021, Reuters

2.COP 26:欧州委員会委員長の演説の概要

欧州委員会委員長の演説の概要は以下のとおり。①地球気温の上昇を1.5℃以内に抑制することは、人類の義務で、欧州は世界で最初の炭素中立大陸になるためできることは何でもやる。②2050年炭素中立を達成するために、2030年までに必要な排気削減を実施しなければならない。③このため、地球規模での炭素排出権取引市場の創設など、きちんとしたルールの枠組みに合意する必要がある。④また、途上国における気候変動対策を支援するために、2020年にEUは270億ドルを負担することを決定しており、その半分は、途上国が望む気候変動適応対策に支出する。⑤さらに、2027年まで年間50億ドルを追加負担するとともに、生物多様性リスクに脆弱な国に重点をおいて、生物多様性保存のための予算も倍増する。⑥我々の子供のためにも、我々はこの会合を成功に導かなくてはならない。

原文

November 1, 2021, 欧州委員会


3.COP 26:気候投資連合が2030年までに1300億ドルを投資

11月2日、北欧諸国と英国の年金基金が連合したClimate Investment Coalition(CIC)は、COP 26で、2030年までに再生可能エネルギーと気候変動関連事業に1300億ドルを投資すると発表した。CICは、デンマークの年金基金が2019年に550億ドルを2030年までのエネルギー転換に投資したのを機会に結成された国際官民連携組織で、デンマーク気候・エネルギー・電力省、デンマーク保険・年金基金、気候変動に関する機関投資家グループ (IIGCC)、デンマーク財務省、世界気候基金によって構成されている。

原文

November 2, 2021, Climate Investment Coalition


4.COP 26:米国大統領演説の概要

米国大統領演説の概要は以下のとおり。①すべての政府が決意と野心をもって、気候変動問題に取り組み、地球の気温上昇を産業革命以前と比べて1.5℃以内に抑制できるか否かがCOP 26の課題である。②記録的な猛暑や干ばつが、激しい山火事を引き起こし、農業生産に損害を与え、記録的な洪水や100年に1回クラスの台風が数年ごとに発生しており、米国は過去数か月で、すべての自然災害を経験したが、こうした異常気象は、パンデミックと同じで、国境を越えた災害である。③我々は今歴史的な転換点にいて、エネルギー転換によって、多くの新たな就業・事業機会が発生し、きれいな空気・豊かな海洋・健康な森林と生態系を子供の世代に残すことができる。④我々は現在エネルギー価格の高騰に見舞われているが、この機会に化石燃料に後戻りすることなく、エネルギー転換への良い機会ととらえるべき。

原文

November 1, 2021, The White House


国内ニュース

1.川崎汽船・川崎重工:機関部自律運航を目指したシステムを共同開発
原文

11月1日、川崎汽船・川崎重工


Webinar情報

1.COP 26: Virtual Ocean Pavilion
October 31-November 12
https://cop26oceanpavilion.vfairs.com/en/registration-form

2.UN Conference Ocean Decade Kickoff Conference for the Western Pacific
November 25-26
https://www.ioc-westpac.org/decade-kickoff-conference/registration/