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国際海洋情報(2021年10月1日号)本日のトピックス

1.EC委員長:エネルギー価格安定のためにも更なる再エネ投資が必要

10月6日、EU=西バルカン諸国サミットのためにスロベニアを訪れている欧州委員会委員長は、天然ガス価格の高騰は極めて深刻な問題である一方で、再生可能エネルギーの発電コストは継続して低下しており、エネルギー価格の安定化のためにも、長期的な再生可能エネルギーへの投資を続けることが重要であり、また、欧州は消費する天然ガスの90%を輸入に依存しており、エネルギーの自給率を高める観点からも、再生可能エネルギーへの投資が必要であると語った。

原文
October 6, 2021, Reuters

2.ICS:2050年海運炭素中立化支持を正式に表明

国際海運会議所(ICS)は、次回MEPC提出文書として、正式に2050年までに海運の炭素中立化を目標とすることを支持する文書をIMOに提出した。炭素中立化の手段としては、従来から提案されていた研究開発基金のための条約に基づく法的拘束力を持つ燃料課金に加えて、コストが割高な代替燃料への転換を促進するための、炭素税が含まれている。一方で、IMO加盟国に対しては、今次MEPCにおける国際海事研究基金(IMRF)設立の承認と、地域的ではない全世界共通の市場原則に基づく促進措置(MBM)の検討を要請している。海運業界・燃料供給事業者・造船事業者・舶用工業事業者が一致して、代替燃料や脱炭素化技術の促進・拡大のために、MEPCで2050年炭素中立化目標を決議することは、産業界の強い決意を対外的に示すこととなる。

原文

October 5, 2021, ICS


3.EU:電力価格の上昇問題の解決がEUの政治的優先課題に

EU域内の電力と天然ガスの価格は、天然ガスの供給力の制約とコロナ後の強い経済回復に伴うエネルギー需要の急拡大によって、今年に入ってから急上昇している。10月5日には首脳レベルで本件について協議が行われたのちに、6日には、環境大臣会合と欧州議会が別々にこの問題について討議を行った。欧州委員会がこの問題にそもそも介入すべきか否かについて、加盟国の中では意見が分かれているが、欧州委員会のエネルギー問題担当のコミッショナーは欧州委員会として政策的に介入すべきと主張している。欧州委員会は、来週にも、加盟国政府やEUが、この問題についてどのような対策がとれるかについて、選択肢を提示する予定だが、欧州委員会は、現在のEUのエネルギー市場メカニズムが、2050年炭素中立への目標に適合するか調査研究を開始する予定となっている。閣僚会合では、来週に欧州委員会から選択肢が提示されるのを待って、EUとしてどういう共通の対応ができるか検討することに合意したが、いくつかの加盟国では、既に電力料金引き上げの消費者への影響を緩和するため、独自に補助金の支給や税の減免を実施している。

原文

October 7, 2021, Reuters


4.EU環境大臣会合:NDCsの5年ごとの見直しに合意

11月12日から開始されるCOP 26では、長い間議論されてきたパリ協定の技術的なRule Bookの最終合意が期待されているが、未合意の課題の一つが、加盟国が同じ期間で一斉にNDCsを見直すべきか否かという問題がある。中国やインドは見直し期間を5年にするか10年にするかは加盟国の裁量に委ねるべしと主張し、ポーランドをはじめとするいくつかのEU諸国も同じ立場をとっていた。一方で、米国・アフリカ諸国・小島嶼国などは、見直し期間を全加盟国一律5年とすることで、各国に定期的に目標の引き上げを促すとともに、各国のCO₂削減状況を監視することにも資すると主張していた。EUは10月6日、環境大臣会合において、EUの共通交渉方針として、本件については、米国等とともに、一律5年の見直し期間とすることをCOP 26で主張することを最終合意した。

原文

October 7, 2021, Reuters 


Webinar情報

1.UN Conference Ocean Decade Kickoff Conference for the Western Pacific
November 25-26
https://www.ioc-westpac.org/decade-kickoff-conference/registration/


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