国際海洋情報(2021年9月3日号)

1.英:HMS Queen Elizabeth空母打撃群が日本を訪問

今週末から、英国のHMS Queen Elizabethを旗艦とする空母打撃群(CSG21)が日本に寄港する。この寄港によって、英国の日本との密接で強固なパートナーシップと英国がインド太平洋の海上保安に関与することを明確にすることを目的とする。

原文
September 3, 2021, 英国政府

2.北極の温暖化によって北半球の寒波が引き起こされることを証明

9月3日、Science誌に発表された論文の概要は以下のとおり。北極では、世界の他の地域と比べて、2倍の速度で温暖化が進んでいるが、一方で、北米や他の北半球の中緯度地域では、過去40年間繰り返し、冬季に厳しい寒波を経験している。研究者たちは、観測結果とモデルを利用して、北極圏の温暖化が、成層圏の極渦(SPV)の蛇行を引き起こす結果、今年の2月にテキサスに厳寒をもたらしたように、北半球の中緯度地帯に冬季の寒波をもたらすという関係を証明した。

原文

September 3, 2021, Science


3.豪政府:洋上風力発電推進法案を提案

9月2日、豪政府は同国内における洋上風力発電施設の建設を促進する法律案を提案した。同法案は洋上風力発電施設の建設・運営・保守管理・解体に関する枠組みを規定している。政府が最近発表した報告書によれば、既に計画中の洋上風力発電事業は10件以上あり、合計発電量は25GWにのぼる。陸上風力発電は、2020年には、既に合計で7.4GW発電し、同国の総発電量の約1割を供給し、さらに21件(合計発電量4GW)の事業が今後建設される予定。

原文

September 2, 2021, Reuters


4.米ケリー特使と英COP 26議長が相次いで中国を訪問

米国の気候変動問題ケリー大統領特使は8月31日から9月3日まで、中国の天津を訪問して、気候変動問題について中国の環境問題特使の解振華と意見交換した。ケリーは4か月前に、解特使と上海で会談したが、今回は特に海外の石炭関連事業への支援を中止することを求めた模様。ケリー特使はオンラインで王毅外相・韓正副総理とも会談した。中国は今年に入ってから、海外の石炭関連事業への金融支援を停止しており、米の要求に応じる可能性がある一方、王毅外相はケリーに対して、中米関係の全体的な改善がなければ、環境分野のみで協力することは難しいと伝えた。英国のCOP 26のシャルマ議長は、既にインド・ロシア・ブラジルなど約30か国を訪問しているが、ケリー特使に続いて、9月に中国を訪問し解特使と会談し、海外ばかりでなく、中国国内についても石炭火力発電所への新規投資の停止を求める予定。

原文

September 3, 2021, Carbon Brief