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国際海洋情報(2021年9月1日号)

1.適正な交代ができないで継続乗務する船員割合が微減

適切な船員の交代を促すNeptune Declarationは、合計で9万人以上の船員を管理する10人の船舶管理者が収集した情報に基づき、毎月船員交代の実施状況をまとめて船員交代指標を発表しているが、最新の状況は以下のとおり。①船員雇用契約の期限を超えて乗務を続けている船員の比率は8.9%で、先月の9%から微減した。②船上で11か月以上継続乗務している船員の割合も1.2%で、先月の1.3%から微減した。③ワクチン接種を受けた船員の比率は、先月の15.3%から21.9%に増加したが、主要国における一般国民のワクチン接種率がおおむね50%を超えていることと比較すれば、船員のワクチン接種率は相対的にまだ低い水準にある。

原文

September, 2021, The Neptune Declaration


2.WMO:異常気象による死亡者と経済的損失に関する報告書を発表

8月31日、世界気象機関が標記報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①1970年から2019年の間の50年間で、異常気象による自然災害は1.1万件以上報告され、この結果、200万人以上の死者と3.64兆ドル以上の経済的損失が発生した。②上記50年間に報告された災害の50%、死者数の45%、経済的損失の74%は異常気象が原因となって発生した。③異常気象による死亡者の91%以上は開発途上国で発生した。
④死亡者数を異常気象の類型ごとに分類すると、干ばつ(65万人)、嵐(約58万人)、洪水(約5.9万人)、熱波(約5.6万人) であった。⑤死亡者数は1970年代が5万人以上であったが、2010年代には2万人以下と減少した。1日当たりの死者数で見ると1970年代の170人から2010年代には40人まで減少した。

原文

August 31, 2021, WMO


3.DNV:Energy Transition Outlook 2021を発表

標記報告書の概要は以下のとおり。①世界のエネルギー関連のCO₂排出量は、2030年までに9%しか削減されず、今世紀末までに地球の気温は産業革命前と比較して2.3℃上昇する。②太陽光発電と風力発電の増加によって、最終エネルギー使用量に占める電化比率は、現在の19%から2050年には倍増して38%になる。具体的には、2032年までに新車販売の半分は電気自動車になり、2050年までに冷暖房の32%はヒートポンプで供給されるようになる。③電化によるエネルギーの効率化が進み、エネルギー原単位は今後30年間、GDP成長率を上回る年平均2.4%改善する。④化石燃料への依存度は漸減するものの、2050年においても50%を維持する。需要量は2050年までに、天然ガスは現状維持、石油は半減、石炭は1/3となる。炭素回収貯留(CCS)技術の開発・普及は遅れ、2050年の段階でも化石燃料の燃焼から排出されるCO₂総量の3.6%しかCCSによって回収されない。

原文

September 1, 2021, DNV


4.大気汚染を減らせば世界の平均寿命を2.2年延長することが可能

シカゴ大学が2021年版Air Quality Life Index (AQLI)を発表したところその概要は以下のとおり。①発電所・工場・自動車から排出される化石燃料燃焼の排気は、大気汚染と気候変動に悪影響を与えるだけでなく、AQLIの最新情報によれば、大気汚染を世界保健機関(WHO)が定める基準まで削減できれば、世界全体の人々の平均寿命を2.2年延ばすことができることが分かった。②中国では、2013年に大気汚染が最高レベルに達したので、政府が強力に大気汚染の削減を図ったところ、2019年までに大気汚染が29%削減され、中国国民の平均寿命は6年間で1.5年延びた。③南アジアのバングラデシュ・インド・ネパール・パキスタンの4か国は、世界で最も大気汚染が進んでいる上位5か国に入っているが、これらの国で、大気汚染のレベルをWHOの基準まで削減すれば、これらの国での平均寿命を現在より5.6年延ばすことができる。

原文

September 2, 2021, AQLI


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