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国際海洋情報(2021年8月27日号)

1.米クルーズ:デルタ型の猛威でますます厳格化する乗船基準

米国ではデルタ型の感染が広まるとともに、ワクチン接種を受けた人がコロナに感染するブレークスルーケースが増えているため、クルーズ乗船のための基準がさらに厳しくされている。クルーズ業界では、ワクチン接種を受けた乗員や乗客から感染者が次々と発見され、ついに死者まで発生した。こうした状況を受けて、8月20日、疾病対策予防センター(CDC)は、ハイリスク因子を持った旅行者に対して、クルーズの利用を控えるように勧告し、クルーズに乗船する乗客に対して直近のPCR検査の陰性結果と、ワクチン接種証明書の両方を求めることも勧告した。CDCがこのようにクルーズ船の利用の厳格化を勧告したのは、感染の拡大に加えて、クルーズ船内で乗客が安全な距離を保ちがたいこと、発病した際に、クルーズ船内で実施できる治療措置が限れていること、航海中のクルーズ船から患者を緊急搬送することの困難性などを考慮したとCDCの報道官は8月24日説明した。

原文

August 26, 2021, AP


2.ハリス副大統領:ベトナムに南シナ海において中国に共同で対抗することを約束

米国のハリス副大統領は、東南アジアにおける中国の軍事的・経済的な影響力の拡大に、友好国と共同で対抗するため、7日間の日程でシンガポールとベトナムを訪問しているが、8月25日、米国のハリス副大統領は訪問中のベトナムで、同国の首脳と会談し、南シナ海における中国の進出に対抗して両国で海上保安体制を強化し、米国の軍艦のベトナム寄港の回数も増やすことを提案し、中国に対して、国連海洋法を順守するよう圧力を強くかける必要があると述べた。これに加え、コロナ対策としてワクチンの供与と、同国が気候変動対策に取り組むのを支援するためにいくつかのプログラムを立ち上げることも約束した。

原文

August 25, 2021, Reuters


3.USCG長官:USCGの海軍化は避けるべき

(論説)USCG長官が米国海軍協会誌に標記論文を投稿しているところその概要は以下のとおり。①本年に入って、中国は海警法を成立させ、同国沿岸警備隊に、外国船に対する乗船・臨検をする権限だけでなく、発砲する権限も与えて、沿岸警備隊の海軍化を進めた。②米国国内では、こうした中国政府の施策を非難する一方で、USCGにもよりか群的な役割を果たすことを期待する声が高まっている。③特に、USCGの巡視船に海兵隊員を乗船させるという構想もあるが、そのような構想は法に基づく国際秩序の番人としての米国やUSCGの評判を落とすことになる。④September 11thの事件以来、USCGの役割は大きく変容し、米国本土を守るだけでなく、海軍とともに、海外において国益を守ることとなった。さらに、中国の海洋進出によって、USCGがさらに海軍的な役割を強化すべきだという議論があるが、極めて短視眼的発想である。⑤USCGの世界的な価値は、世界で12番目に大きい海軍力としてではなく、法の支配を守り、米国の競争国とも相互利益に立ち、紛争を回避する関係を築くことにある。

原文

August 2021, USNI


4.米国東岸の洋上風力発電施設の整備のため今後5年間で2.5万人の訓練が必要

世界風力機構(Global Wind Organization: GWO)によれば、米国東岸に2025年までに計画とおり、9.1GWの洋上風力発電施設を整備するためには、設備の建設・設置・運用・保守管理のために2.5万人を訓練する必要があるほか、設備の購入・製造・輸送のための人員の確保・訓練が必要になると発表した。こうした訓練需要に応えるために、北米の約100の職業訓練校・海事教育機関・大学が、GWOの認証を得て、訓練の準備を開始している。具体的な例としては、New Englandの6州の洋上風力発電施設整備のため、Crowley Maritime CorporationとMassachusetts Maritime Academy (MMA)は、必要な人員の訓練計画を共同で策定し、GWOの認証を受けることとなっている。CrowleyはMMAの訓練中の練習生に対し、奨学金やインターンシップを与えて、洋上風力関連の訓練を受けさせることも計画している。

原文

August 26, 2021, Offshore Wind


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