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国際海洋情報(2021年8月24日号)

1.東南アジア諸国が積極的な地球温暖化対策を取れば12.5兆ドルの経済効果

デロイト経済研究所が8月23日発表したところによれば、東南アジア諸国が直ちに地球温暖化対策を実施して、気温上昇を1.5℃以内に抑制することができれば、2070年までに、平均して年間3.5%の経済成長が可能で、12.5兆ドルの経済的便益を享受できる。逆に同諸国が従来とおり、化石燃料に依存した経済成長路線を取り、2070年までに産業革命以前と比べて地球の気温が3℃上昇した場合には、農業と観光業に大きな損害を与え、住民の健康状態が悪化し、海面上昇によって海抜が低い国の生産地域が失われることにより、GDP成長率を7.5%押し下げ、28兆ドルの経済損失が発生する。最も地球温暖化の影響を受けるのが、サービス業で2070年までに9兆ドルの損害が生じ、製造業・小売業・観光業・建設業・鉱業・天然ガス製造業の順で悪影響を受けると予測される。

原文
August 23, 2021, Bloomberg Quint

2.米国のClean Electricity Payment Programについて

現在民主党主導で進められている13.5兆ドルの予算案の中に、電力事業者が毎年販売する電力に占めるゼロ炭素電力の比率を向上させるために、電力業者に対して、金銭的な飴と鞭を駆使する「クリーン電力支払いプログラム:CEPP」が盛り込まれている。もしこの制度がうまく働けば、2030年までに発電量の8割が、風力・太陽光・原子力によるゼロ炭素電力になり、バイデン大統領の野心的な2035年までに発電部門を炭素中立化させるという目標達成手段の中核となる。具体的には、電力事業者がゼロ炭素電力の年間発電目標量に到達すれば、目標を超える分のゼロ炭素電力の販売量に応じて報奨金を受けることができるが、反対に年間目標を達成できない電力事業者は未達成分に応じて反則金を支払うこととなる。ただし、各事業者に対する目標は一律に定められるのではなく、制度開始時の各事業者のゼロ炭素発電比率に応じて、個別に定められる。

原文

August 23, 2021, MIT Technology Review


3.家庭の生ごみから作られるバイオガスの可能性

家庭の生ごみ等から作成されるバイオガスは、化石燃料の代替グリーン燃料となり、生ごみから出る悪臭の防止だけでなく、安価でクルーンなエネルギー源であり、メタン・CO₂・少量の硫化水素と水蒸気によって構成され、気密性の高い分解タンクの中で、生ごみを生物が分解することにより生産される。この装置の効率性は分解タンクの大きさと気密能力や、生ごみや庭仕事から出る植物に含まれるメタンの量に依存する。バイオガスがグリーンなのは、食物が腐ったときに大気中に放出されるGHGを回収して貯留して、持続可能なエネルギーとして、家庭の暖房や電気供給減として利用できるからである。容量が2-10㎥の小型分解タンクで、個々の家庭の電気を1日に最大12時間供給し、50㎥の大型分解タンクであれば、地域のガス供給網に接続すれば、集落に最大250時間分の電力を供給することが可能である。

原文

August 23, 2021, The Conversation


4.ロングビーチ港が全電動ゼロエミッションのコンテナターミナルの供用開始

8月20日、ロングビーチ港はMiddle Harborにほぼすべての機械・施設が電気を動力とする、世界で最初のゼロエミッションのコンテナターミナル(LBCT)の供用を開始した。LBCTの開発は総事業費約1.5兆ドルをかけて、10年前の2011年5月に開始され、第1期事業(約61ha)が2016年に、第2期事業(約77ha)が2017年に、そして最終的に7月に総面積121haのLBCTが完成した。年間110万TEUのコンテナを扱う能力があり、周辺のトラック交通量を減らすために、鉄道引き込み線が整備されている。14の最新型のガントリークレーンが設置された全長1280mの岸壁には、最大級の大型コンテナ船が3隻同時に着岸でき、将来的なコンテナ船の大型化にも十分対応可能。着岸するすべての船舶には、岸壁から陸上電力が供給され、船舶着岸中の補助機関からのCO₂排出を削減することができる。またすべての大規模構造物は、Leadership in Energy and Environmental Design (LEED)基準に従って建設され、電力と水の使用量を節減している。

原文

August 20, 2021, ロングビーチ港


国内ニュース

1.    商船三井:遠隔操作ロボット技術の導入に関する覚書を締結
原文

8月23日、商船三井


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