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国際海洋情報(2021年8月23日号)

1.UNICEF:世界で10億人の子供が異常気象の影響に晒される

8月20日、UNICEFは、子供たちにとっての気候変動リスクについて初めて包括的に分析した「子供たちの気候変動によるリスクに関する指標」を発表し、指標では、サイクローンや熱波などによる気候・環境面で子供たちが受けるショックと、医療等の基本的なサービスを子供たちがどれだけ受けられるかをもとに算出した子供たちをめぐる環境の脆弱性をもとに、国別のランキング評価を実施した。この結果、33か国に住む約10億人の子供たち(全世界の子供人口22億人の約半分)が、非常にリスクが高い状況で生活していることが判明した。これらの子供たちは複数の気候環境ショックに晒されているうえに、安全な飲み水や衛生環境・健康管理・教育の欠如があいまって、生命にかかわるリスクにさらされている。最もリスクが高い国として、中央アフリカ・チャド・ナイジェリア・ギニア・ギニアビザウがランキングされている。

原文

August 20, 2021, UNICEF


2.米EIA:2023年までに蓄電能力の合計が1万メガワットにまで拡大

米国エネルギー情報庁(EIA)は、蓄電能力年次報告書を発表し、現在進行中の電力市場の大幅な枠組みの構造的な変化によって、計画中の事業を集計すると、2023年までに大規模蓄電施設の総蓄電容量は、2019年実績比で10倍の1万メガワットに達する見込みであると発表したところその概要は以下のとおり。①2019年末に、米国では対前年比28%増の163か所の大規模蓄電施設が稼働しており、合計最大蓄電可能容量は1688MWhで、これらの蓄電施設から電力網に送電可能な最大電力は1022MWhだった。②上記大規模蓄電施設の60%以上は、PJM Interconnection社とカリフォルニア独立システムオペレーター社が送電を担当している地域に設置されており、これらの地域には電力蓄電を促進するための優遇された市場規則がある。③大規模蓄電施設のコスト低減によって、2017年からは上記地域以外での蓄電施設の整備も始まった。

原文

August 16, 2021, EIA


3.相互主義に基き欧州=中国間の海運市場競争条件の不平等の是正が必要

(論説)先日COSCOがハンブルク港のコンテナターミナルの建設に資本参加する計画が明らかになり、中国の海運企業が欧州の市場に参入する方が、欧州の海運企業が中国の市場に参入するよりはるかに容易であるという、参入条件の不平等の問題が注目されているが、この状況を放置すれば、欧州の海運企業の競争力が長期的にさらに損なわれる恐れがある一方、この問題を解決する選択肢はあり、直ちにそうした政策を実施するべきである。例えば、COSCOはハンブルクを北部欧州の、ピレウスを南部欧州の積み替えハブ港とする戦略だが、EUカボタージュ法を改正して、欧州港湾間のCOSCOのフィーダー輸送をカボタージュの対象にしたり、政府調達の外国企業への開放に関して相互主義の導入を欧州委員会が提案しているように、中国市場における欧州海運会社に対する市場開放の程度に応じて、相互主義の観点から、同等の制限を中国の海運会社に課するという新たな制度の導入が考えられる。

原文

August 18, 2021, Mercator Institute for Chinese Studies


4.英国:ブルー水素の使用により年間 800 万トンの CO₂を余分に排出

英国政府が先週発表した水素経済戦略に従い、化石燃料を原料として生産した後に炭素回収貯留(CCS)技術を活用したブルー水素を、再生可能エネルギーから生産されるグリーン水素とともに併用する場合には、グリーン水素だけの場合と比較してガソリン車100万台以上が排出するのと同等な最大で年間800 万トンのCO₂を、2050 年まで毎年余分に大気中に放出することが分かった。CCS を用いても完全には排気から CO₂を除去するのは困難で、5-15%の  CO₂が大気中に放出されるとともに、天然ガス生産時にメタンが漏出するため、こうした排出量の推計となる。同戦略ではブルーとグリーンの水素を併用するとされているが、その割合が明記されていないため、環境団体からは、過度にブルー水素に依存しすぎて、北海における天然ガスの生産や化石燃料の輸入を今後も何十年も続けることによって、何百万トンものCO₂を余分に排出し続けることになるのではないかと懸念している。

原文

August 22, 2021, The Guardian


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