国際海洋情報(2021年8月13日号)
1.メタンの排出削減がCOP 26協議の重要事項の一つに
原文
2.英国政府:航空の炭素中立化に戦略関する意見の公募を開始
8月14日、英国政府は航空の炭素中立化戦略について、意見の公募を開始した(意見提出期限は9月8日まで)。戦略の前提となる「証拠と分析」も開示されており、炭素中立化の手法として、①航空機の燃費効率の向上(2040年代半ばまでに新鋭機の投入により、40-50%の燃費削減。)②持続可能な航空燃料(既存燃料と比べて60%以上のCO₂排出削減が条件)の活用③水素や電力を燃料とするゼロエミッション航空機の導入(2035年を目途に短距離路線で実現)④英国排出量取引制度(ETS)の適用(国内およびEEA内)と国際線に対するCORSIAの実施⑤炭素回収貯留(CCS)技術の活用⑤航空輸送需要の抑制(気候変動委員会の提案では、2050年までの輸送量の増加を現状から25%以内に抑制)が提案されている。
原文
August 14, 2021, 英国政府
3.ReCAAP ISC:月間報告書(2021年7月)
ReCAAP ISCが発表した月間報告書によれば、7月にアジアで発生した武装強盗事件は5件で、2件がシンガポール海峡を航行中に、2件がマニラの南港錨泊地で錨泊中に、1件がインドネシアのバラワン錨泊地で錨泊中に発生した。乗組員に危害が加えられた事件は、マニラで錨泊中に発生した事件のうちの1件で、賊は当直中の船員に手作りの銃を向けて威嚇したうえで、捕縛して無線機を奪った。仲間の賊は新しいもやい綱を奪って逃走した。その他の4件の事故は、乗組員に実害がなかった。公海上の海賊事件は期間中に発生しなかった。1月から7月までの累計の事件数は43件で、前年同期(63件)比、32%の減少となった。
原文
August, 2021, ReCAAP ISC
4.中国とロシアが5日間の共同軍事演習を終了
8月13日、中国人民解放軍とロシア軍は中国北西部で5日間の日程で実施していた共同軍事演習を終了した。演習は戦略面だけではなく、戦術・技術レベルでも、中国とロシアが連携して、テロリズムや米国のような国が引き起こす世界的な挑戦に対して、地域的な安全保障を共同で担保できることを示した。共同演習には、両軍から1万人以上が参加し、中国人民解放軍空軍から、4機のJ-20ステルス戦闘機、2機のJH-7戦闘爆撃機、Y-20大型輸送機、H-6爆撃機、J-11/J-16戦闘機、ロシア空軍からはSu-30SM戦闘機などが参加した。この演習には両国から国防大臣が参加し、演習の視察に加えて、協議を実施し、協力文書に調印した。
原文
August 13, 2021, Global Times