国際海洋情報(2021年7月26日号)
1.BIMCO/ICS:船員労働需給報告書2021を発表
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2.EUが32の脱炭素化事業に1.18億ユーロの支援
EUは舶用の再生可能バイオLNG製造プラントの建設やフェリーをバッテリー動力に改造する事業を含む16か国における32の小規模事業に対して、革新基金から1.18億ユーロ(約153億円)の助成を行うことを決定した。助成金はエネルギー多消費型産業向けの低炭素化技術・水素・エネルギー蓄積・再生可能エネルギーに関連する技術で、GHG削減効果が高く、最先端技術でありながら、実用化段階に近く、迅速に普及可能な技術を対象としている。
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July 29, 2021, Ship Energy
3.FMCコミッショナー:外航コンテナ問題について暫定勧告を提示
米国連邦海事委員会(FMC)は、2020年3月にDyeコミッショナーを責任者として、米国経済に対して深刻なリスクを及ぼす可能性のある港湾や他のサプライチェーンにおける混雑とボトルネックについて調査をするよう事実関係調査29号を実施することを決定していたが、27日、Dyeコミッショナーはこの調査を終了して、暫定的な勧告をFMCに提出したところ法改正に関する勧告の概要は以下のとおり。①United States Code (USC) 46の41104(a)(3)条を改正して、荷主や輸出事業者の懸念に対応するため、海運法の報復禁止規定の適用を拡大する。②USC 46の41305(c)条を改正して、超過保管料や返却延滞料など41102(c)条に違反する行為に対して、FMCが海運会社に対して2倍の賠償を命ずる権限を与える。
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July 28, 2021,gCaptain
4.自主的な炭素オフセット市場の透明性を高めるための世界的なイニシアティブ
植林や環境負荷が低い燃料に切り替えるなどの方法で生み出される炭素オフセット権は、異なる手法の下に事業ごとに自主的な市場で現在取引されている。自主的な炭素市場統合イニシアティブ(VCMI)は、炭素オフセット事業が実際にしっかりした炭素削減がもたらされるように実施され、炭素オフセット市場を通じて、途上国が気候変動に関する資金にアクセスする支援を行うことを目的として、29日に、英国と慈善団体の子供投資基金財団によって設立されたが、既に米国を含む複数の外国政府の支援も取り付けている。自主的な炭素取引市場を拡大するために設置されたタスクフォースによれば、パリ協定の目標を達成するためには、市場規模を現在の15倍の500億ドルの規模まで拡充する必要がある。このような炭素市場の成長予測をもとに、民間部門の関心は高まっており、商品取引会社等は炭素取引部門を新設して、自主的な炭素取引製品の取引に乗り出している。
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July 29, 2021, Reuters