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国際海洋情報(2021年7月16日号)

1.WMO:過去50年間の気候災害に関する報告書を発表

国際気象機関(WMO)が9月に発表する「1970年から2019年にかけての異常気象・気候・水害による犠牲者と経済損失に関するWTO世界地図」の概要は以下のとおり。①過去50年間でみると、自然災害の種類ごとに、干ばつ(65万人)・嵐(58万人)・洪水(5.9万人)・猛暑(5.6万人)の順に犠牲者数が多かった。②経済損失でみると、嵐(5210億ドル)・洪水(1150億ドル)の順に被害が大きかった。③欧州で見ると、この50年間に、洪水と嵐によって、3775億ドルの経済損失が発生し、中でも2002年に独で発生した洪水の被害が165億ドルと単独の災害としては最大だった。犠牲者で見ると、猛暑が最も多くの犠牲者を生んでいる。④当該期間中に世界中で発生した損害のうち、気象・気候・水害関連の災害が原因となっているものは、犠牲者数で45%、経済損失ベースで74%を占めた。

原文

July 23, 2021, WMO


2.ロスアトムとDP WorldがNSRのコンテナ運航に必要なインフラ整備で連携

露の国営原子力企業で、北極海北航路(NSR)の管理権も持つロスアトム社は、北極の日である7月23日に、露のセントペテルスブルグで国際物流企業のDP Worldと、欧州とアジア市場をNSRで結ぶコンテナ海運試験運航事業の実施について協力協定を締結した。NSRの持続可能な利用のためには、航路上に港湾などの支援インフラの整備が不可欠で、両社は共同でこうした必要インフラの整備を進める。DP World社は既に、ロシア直接投資基金に20億ドルの投資を行っている。

原文

July 23, 2021, Rosatom


3.オランダで既存の洋上天然ガス採掘リグを再利用してGreen Hydrogenを生産

オランダでは2050年までにCO₂を95%削減することを目標に、洋上風力発電施設の整備を進めているが、新たな洋上風力発電施設はますます沖合に建造することになり、発電した電気を陸上に送電するケーブルの敷設が高額となっている。そこで、洋上風力発電で発電した電力を用いて、洋上天然ガス生産リグ上に設置される電解槽で海水を電気分解し、発生したグリーン水素を天然ガスと混合して、既存の天然ガスパイプラインを活用して陸上に送る試験事業(the posHYdon project)が、オランダの企業庁から360万ユーロ(約4.7億円)の助成を受けて、オランダ研究庁(TNO)/Neptune Energy/オランダの洋上リグ解体・再利用のための組織であるNextStepの共同試験事業として実施される。この試験事業に成功すれば、役割を終えた多くの洋上プラットフォームとパイプラインを再活用して、洋上でグリーン水素を生産し、新たな投資なしに、陸上に輸送することが可能となる。

原文

July 23, 2021, Neptune Energy


4.米上院民主党:炭素調整国境課税の導入を検討

ゴア前副大統領をはじめとする米上院民主党は、気候変動対策・公的医療保険制度であるメディケア・移民制度改革を含むバイデン政権の主要政策を実施するために3.5兆ドル規模の民主党の予算案を検討中だが、その財源の一つとして、EUが検討している炭素多消費型の輸入品への国境課税制度と同様の課税制度の導入を検討している。同党は、併せて、再生可能エネルギーや電気自動車に関する税額控除額の拡充や、電力事業者に一定割合の脱炭素電力の発電を義務付けるクリーンエネルギー基準の創設などについても検討を行っている。「汚染者輸入課徴金(polluter import fee)」の規模は未定だが、EUなどと協力して、貿易政策をGHG削減のための手段として活用することを検討している。

原文

July 15, 2021, BNN Bloomberg


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