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国際海洋情報(2021年7月13日号)

1.バルチラ:水素・アンモニアを燃料とするための本格的試験を開始

水素とアンモニアは炭素を含まないゼロエミッション燃料だが、このゼロエミッション燃料で動くエンジンの最適なパラメターを評価するために、バルチラはフィンランドのバーサのエンジン研究所で本格的な試験を開始したが、これまでのところ、典型的な海上運航の条件下で、アンモニアを70%含んだ燃料であるエンジンはよく動いたし、他のエンジンでは純粋な水素燃料で正常に作動した。発電機と舶用エンジン向けに、これらの燃料を使用する最も実現可能性の高い内燃機関の開発を、今後数年継続して、ゼロエミッション燃料を利用した脱炭素化への将来的な転換を可能とする。発電分野では同社は2025年までに純粋の水素を燃料とした発電機とプラントを完成させ、舶用機関については、今年中にアンモニアを混合した燃料を使用できる機関を完成することを見込んでいる。

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July 14, 2021, Wartsila


2.イタリア政府:ベニス中心部への大型クルーズ船の侵入を禁止

ベニスは1987年にUNESCOによって「特別な建築物の傑作」として世界遺産に指定されたが、環境団体によって、大型クルーズ船がベニスの中心部の運河を通過することによって生じる波がラグーンの上に建設されている都市の土台を損壊し、ラグーンに生息する脆弱な生態系を破壊していると非難され続け、UNESCOは6月にイタリア政府に対し、より持続可能な観光の管理をしなければ、ベニスを危機に晒されている世界遺産に追加指定すると警告していた。追加指定について審議されるUNESCOの会議の直前になって、イタリア政府は、8月1日から大型クルーズ船がベニスの中心部に乗り入れることを禁止することを決定した。

原文

July 13, 2021, France 24


3.EU ETSの海運に対する拡大適用に対するICS事務局長のコメント

標記概要以下のとおり。①全世界の海運活動から排出される総排気量のうち、今回のEU ETSの拡大適用の対象となるのは、わずかに7.5%にすぎず、残りの92.5%に関わるIMOの交渉に大きな悪影響を及ぼした。②日本をはじめとするEU非加盟国は既にEUの外交的越権と、貿易活動に対する税の一方的な域外適用に対して懸念を表明しており、EU非加盟国にEUの経済復興計画を支援するために、排出権料を支払わせるのは公平ではない。③政治的なご都合主義ではなく、政治的なリーダーシップをもって、より単純で効果的な世界共通の燃料税という形をとるべきである。④IEAや米国が海運脱炭素化のための研究開発の必要性を指摘しているにもかかわらず、EUは最初は研究開発投資の必要性に触れていたにもかかわらず、最終的には、研究開発投資に触れていないのは残念であり、EUが実は世界海運の脱炭素化に真剣でないというメッセージを海運業界に送った。

原文

July 14, 2021, ICS


4.ReCAAP ISC 2021年上半期報告書を発表

標記報告書の概要は以下のとおり。①2021年1月から6月の間に、アジアでは37件(2件の未遂も含む)の武装強盗事件が発生した。②前年同期は57件だったので、対前年比35%の減少となり、地域別にみると、前年比で事件数が減少したのは、バングラデシュ・インド・インドネシア・フィリピン・ベトナム・南シナ海・スールー/セレベス海であった。③一方、シンガポール海峡では、20件の事件が発生し、前年は16件だったので4件増加となった。

原文

July 16, 2021, ReCAAP ISC


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