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国際海洋情報(2021年7月9日号)

1.米国:FMCと司法省がコンテナ海運取り締まりで連携覚書を締結

7月9日に署名された競争促進のための大統領令を受け、7月12日、連邦海事委員会(FMC)と司法省独占禁止部門は、両機関の外航定期海運への監督・取り締まり機能を強化するために、これまでに前例のない省庁間連携覚書を締結した。両機関は今後定期的に会合を開催して、外航定期海運に関連する競争に関する法の適用と法規制について再検討を行う。さらに、両機関はそれぞれの監督・取り締まり機能の強化のために、有用な情報と専門的な知識の交換を実施する。

原文

July 12, 2021, FMC


2.海運会社が制裁逃れのための偽文書に基づく違法な瀬取防止対策を強化

米国とEUは、イランやベネズエラに対する経済制裁を過去2年間段階的に強化してきたものの、イランやベネズエラは制裁を逃れて違法に原油を輸出する方法を巧妙化してきており、海運会社にとって、制裁逃れの違法原油輸出に知らずに巻き込まれることを防ぐのが難しくなってきている。船舶間の瀬取は、入港料金を節約するためなどのために合法的に実施できる行為だが、制裁回避のために、石油製品の輸出国を偽った偽文書を活用した制裁逃れの原油輸出に利用されることも多い。世界で220隻以上の製品タンカーを運航するマースクタンカーは、これまでも製品輸出国を偽った偽造文書に目を光らせてきたが、同社は疑わしい船舶の行動を監視するために、船舶の航跡と所有関係を精査する新たな技術を導入した。United Against Nuclear Iran(UANI)はイラン関連のタンカーの動向を衛星画像を利用して監視し、必要に応じ海運会社に情報提供しているが、昨年12月と今年の1月にもマースクタンカーに情報提供し、知らずに違法な瀬取が実施されるのを阻止した。  

原文

July 13, 2021, Reuters


3.英国政府:交通脱炭素化計画を発表

7月14日、英国政府は「交通脱炭素化計画」を発表したところ、政府が議会にあてたメッセージの概要は以下のとおり。①交通は英国国内で最大のGHG排出源であり、陸上交通だけでも2019年の実績では、英国のGHG排出総量の1/4を占める。②英国政府は既に2020年3月に「交通の脱炭素化:目標の設定」というガイダンスを発表し、交通の脱炭素化計画とすべての交通分野で炭素中立を実現することを明確にしている。③2020年3月以来、イングランドにおいて300件以上のサイクリング・ウォーキング事業に対し、既に20億ポンドを投資し、バスのネットワークも根本的に改革し、Great British Railwaysをより使いやすくするよう、ネットワークを拡大し電化を促進している。④本日発表した計画では、さらに、すべての新しい自動車を遅くとも2040年までにゼロエミッション化し、国内航空の炭素中立を2040年までに、鉄道網の炭素中立を2050年までに達成し、海運の脱炭素化のイニシアティブをとることを表明した。⑤中央政府はさらに自動車の脱炭素化の先陣を切るため、約4万台の公用車をすべてゼロエミッション車に切り替える目標年次を2027年に前倒しにした。

原文

July 2021, 英国政府


4.中国:7月16日に排出権取引市場を始動の見込み

世界最大のCO₂排出国である中国は、2030年までにCO₂の排出を減少に転じ、2060年までに炭素中立を達成するために、新たに排出権取引制度(ETS)を7月16日に開始する予定だが、各企業が排出するCO₂の量の透明性の確保の問題もあり、これまで実施が何度も延期されてきた。中国でETSが導入されれば、既存のEU ETSの規模を抜き去り、取引量で世界最大の市場となる見込み。中国のETSはもともと習主席が2015年末にパリ協定に署名するのに先立ち表明され、試験的に地方市場がいくつか開設され、昨年半ばまでに約4億トンの排出権が取引された。ETSはまず2千か所以上の発電所に適用され、その後、セメント・鉄鋼・アルミニウムなどのエネルギー多消費型の産業に適用が順次拡大される見込み。CO₂排出量を正確に把握するのが最も重要で、過去数年にわたり、排出量の報告と検証作業の試行が実施されたが、排出量は実測値ではなく、発電量に基づいてCO₂排出量が見なされることとなる。

原文

July 14, 2021, Channel News Asia


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