国際海洋情報(2021年7月8日号)

1.米大統領:FMCに船社の料金徴収について厳格な競争法の適用を奨励

7月9日、米国バイデン大統領は米国経済競争促進大統領令に署名したところ海運分野に関する概要は以下のとおり。①外航海運市場の寡占化は急速に進んでおり、2000年には上位10社の市場占有率が12%だったのが、現在は80%を超えており、米国の輸出事業者は外国大手海運会社にすがらなければ輸出ができない。②この結果、外国船社は米国の荷主に対して、法外なコンテナの超過保管料金と返却延滞料金を徴収している。③従って、大統領は連邦海事委員会に、船社が米国の輸出事業者に対して法外な料金を徴収することに対して、競争法を厳格に適用するように奨励する。

原文

July 9, 2021, The White House


2.ICC IMB:海賊・武装強盗の発生件数は1994年以来最低に

国際海事局(IMB)の最新の季刊報告書によれば、2021年上半期に世界で発生した海賊・武装強盗の発生件数は、1994年以来最低の68件となり、前年の98件と比較して30件の減少となった。68件の内訳は、61件が賊に乗船され、4件は未遂、2件は発砲事件、1件は船舶が乗っ取られた。船員に対する被害は誘拐された船員が50名、負傷1名、死亡1名だった。地域別にみると、ギニア湾で発生した件数が全体の32%を占め、船員の誘拐事件はすべて、ギニア湾で発生した。ギニア湾で誘拐された船員数は、2019年の第2四半期以来の最低となった。マラッカシンガポール海峡では、上半期に16件の事件が発生し、前年同期より5件増加したが、基本的には窃盗狙いの事件ではあるが、7件では賊がナイフで武装し、3件では、船員が脅迫され、暴行され、負傷している。

原文

July 12, 2021, ICC IMB


3.米国:Death Valleyで54.4℃を記録

米国気象サービス(NWS)はDeath ValleyのFurnace Creekで7月10日、史上最高レベルの54.4℃を観測した。歴史的な猛暑はPalm Springsなど他のカリフォルニア州やネバタ州の地点でも観測され、深刻な干ばつと重なって、山火事の危険性が高まっている。オレゴン州南部で6日から発生した山火事では、5.8万ヘクタールを焼失し、千軒以上の住民が避難を余儀なくされている。米国西部では、今週前半は猛暑が続くことが予想されているので、高齢者や呼吸器障害を持つ人は特に注意が必要であると当局は注意喚起している。科学者によれば、このレベルの猛暑はこれまで15年に一度程度の頻度で発生してきたが、CO₂排出削減を迅速に進めない限り、今後同レベルの猛暑が毎年繰り返される可能性があると警告している。

原文

July 12, 2021, The Guardian


4.米国防長官:中国による比艦船への攻撃は米比相互防衛協定発動の引き金に

7月11日、米国防長官は南シナ海における中国の領土的主張を退けた国際仲裁裁判所の判決5周年を記念して、南シナ海でもし中国海軍が比海軍に対して攻撃を仕掛ければ、1951年の米比相互防衛協定発動の引き金を引くことになろうと文書でコメントを発表した。同長官は、2020年7月13日に前トランプ政権が南シナ海における中国の海洋資源に対する主権を否定した米国の政策をバイデン政権も堅持することを明確にした。同長官は、4月8日に実施された比外相との会談でも、南シナ海が相互防衛協定の対象海域であることを確認している。

原文

July 12, 2021, Reuters


国内ニュース

1.INPEX(国際石油開発帝石):豪からの炭素中立LNGの受け入れ開始
原文

7月10日、INPEX(国際石油開発帝石) 



2.Class NK: Scope3を含めたGHG第三者検証を実施・声明書を発行
原文

7月12日、Class NK