国際海洋情報(2021年6月17日号)
1.コロナによる塩田港の機能不全により60万TEU以上のコンテナ輸送に影響
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2.マイクログリッド用に移動式洋上浮体式風力発電を開発
ノルウェーのOdfjell社やSiemensの子会社が移動式洋上風力発電施設(Mobile Offshore Wind Units: MPWUs)の開発で合意した。このMPWUsは短期間または期間限定で電力が必要な場所に必要な電力をマイクログリッドとして供給することを念頭において開発され、浮体式で必要に応じいつでもどこにでも移動が可能とする。ノルウェーの石油ガス事業者は、2030年までにCO₂を半減することを既に宣言しているが、この目的を実現するためには洋上掘削リグに再生可能エネルギーを供給する必要があるので、MPMUsを開発することとなった。北海の沿岸部から遠く離れた石油掘削リグに陸上から再生可能エネを送電するのは困難で、さらに、プラットフォーム上に炭素回収貯留(CCS)装置を設置するのは高価でかつリグ上に広いスペースが必要となり現実的でない。通常の洋上風力発電施設から給電を受けることは理論的に可能だが、既存の洋上風力発電施設整備計画では、2030年までにCO₂排出を半減するという石油ガス産業の野心的な目標を達成するのに間に合わない。
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Jun 18, 2021, The Maritime Executive
3.海運業界:IMO加盟国に対し、MEPC 77におけるIMRB合意を強く要請
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4.EUエネルギー担当大臣会合:将来の水素輸入量の見通しについて紛糾
6月11日のEUエネルギー理事会(担当大臣会合)では、EUとしての「水素戦略」と炭素中立までの行程について議論が行われたところその概要は以下のとおり。①EUとしての法的拘束力を持つ「水素戦略」は本年後半には正式に決定される予定だが、提案に先立ち、EU各国はそれぞれの水素戦略を説明したうえで、EUの戦略について各国の立場を説明した。②エストニア・仏・ハンガリー・ポーランドの大臣は、EU域内の太陽光・風力発電事業者の支援を得て、水素をEU域外から輸入することに明確に反対し、EU域内で水素を生産することに重点を置くべきと表明した。③EUは歴史的に、ロシアや中東諸国から多くのエネルギーを輸入してきたが、上記諸国は、水素をEU域外国やEEA諸国から輸入することによってさらなる新たな地政学的・技術的な依存関係を作るべきでないと主張した。④一方、独は水素を域外国から輸入するのに積極的で、豪政府との間で、水素連合の結成について、6月13日、予備的合意書に署名した。
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June 15, 2021, Euractiv