論考

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2023/12/25

SPFウォーゲーミング研究会の終了報告

松 卓馬
笹川平和財団研究員

 笹川平和財団安全保障研究グループではこれまでにも机上演習(Table Top Exercise: TTX)「大規模災害を端緒とする台湾危機に対する日米共同対処をめぐる課題―」、「サイバー攻撃に端を発する台湾危機における日米共同対処の課題」、「台湾有事シナリオ:低烈度ハイブリッド戦からのエスカレート」などを実施し、政策提言に活用してまいりました[1]。

 今回、笹川平和財団安全保障研究グループでは研究開発の一環として、2023年度9月より阿久津博康特別研究員(平成国際大学法学部教授)監修の下、当財団若手職員などを対象としたウォーゲーミング研究会を実施してきました。

 本研究会は当財団若手職員などに対し、ウォーゲーミングを理解し、デザイナー、ファシリテーターといったゲーム運営に必要な基礎的スキルを習得してもらうことを目指したものです。

 2023年9月~12月まで合計10回の間に、当財団若手職員など延べ100名程が参加し、ウォーゲーミングの歴史や学術的位置付け、マトリクス・ゲーム、セミナー・ゲーム等の手法を学ぶとともに、実際にゲームにプレイヤーとして参加し、また、後半では一部参加者はファシリテーターなどゲームの運営側としての経験を積みました。

 体験したゲームでは、昨今の国際情勢を踏まえて、北極海問題や半島有事および「キューバ危機」の史実を日本周辺に置き換えるなど、多様なシナリオを用いました。

ウォーゲーミングとは、机上演習(Table Top Exercise: TTX)などの政策シミュレーションを総称するものであり、付与されたシナリオ下での意思決定や判断の演練です。TTXでは、ストレスの低い環境下で、特定の事象に対する政策や行動を自由に発想し、議論することが可能なため、政策決定やそれに基づく行動の段階における課題の抽出に有効な手法と考えられています。そのため、政策や行動の検証、あるいは政策決定等の教育・訓練を目的として、政府機関、軍事組織、危機対処機関、シンクタンク、大学等で広く用いられています。

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