事業紹介

2006年
事業

地雷・不発弾処理の教材作成支援

事業内容
世界各地に残存する埋没地雷の数は8,000万個とも推測され、不発弾とともに復興の障害となっています。紛争終結後も数十年にわたり、そこで生活をする住民を脅かし続けます。本事業では、日本地雷処理を支援する会(JMAS)の専門家が国内外で調査を行い、人道的な地雷・不発弾処理を行うチームリーダーの育成を目的とした教材(教育目標、計画、諸基準、実施計画、評価など)、対処マニュアル(不発弾、地雷の種類、識別、特色、処理方法、警戒、避難など)の作成を行いました。
3年間の活動を通じて、国内調査では、朝霞研究本部、勝田施設学校、富士学校など、陸上自衛隊で地雷・不発弾処理を行う部隊や演習場、教育機関を計17回訪問し、安全管理や処理、爆薬の取り扱いの手順など、教材で扱う各項目について、聞き取り調査と資料収集を行いました。海外調査では、国連組織やNGOなどに地雷・不発弾処理にかかわる教育を行っているスウェーデン軍地雷・不発弾処理訓練学校(SWEDEC)を訪問しSWEDECが有する欧州地域の知見について聞き取り調査と資料の収集を行いました。またアジアにおける地雷・不発弾処理の調査については、カンボジアとタイの国境地帯で地雷・不発弾処理活動を展開するカンボジア地雷処理対策センターや、ラオス政府労働・社会福祉省傘下の不発弾処理専門機関であるラオス不発弾処理プログラム(UXLAO)を訪問し、日本で人手できない不発弾の種類や特性、処理方法、チーム運用方針などについて情報を得ました。アジアと欧州の2つの地域で調査を行ったことにより、教材に掲載する地雷・不発弾の種類を大幅に増やすことができ、また現地での聞き取り調査を通じて得られた現場の実務と教訓を教材の各所に反映させることができました。
3年間にわたって実施された国内・海外調査をもとに、本年度、地雷・不発弾処理の教材が完成しました。教材は「マネジメント」「処理の基本」「処理」の3編と、「弾薬識別資料」「地雷識別資料」の2つの別冊資料から成っています。また、教育カリキュラム「地雷・不発弾処理教育の検討」も作成されました。これらにより、テキストを実際に活用した人道的地雷・不発弾処理の教育体制が整備されました。今後は、教材を使った講義と、現場における実地訓練を組み合わせることにより、地雷・不発弾処理チームを指揮監督するリーダーとなる人材が育成されていくことが期待されています。

事業実施者 日本地雷処理を支援する会(JMAS)(日本) 年数 3年継続事業の3年目(3/3)
形態 自主助成委託その他 事業費 6,703,705円