事業内容
南アジアと東南アジアに広がるベンガル湾諸国は、地政学上の有利性から日本にとって重要な地域です。本事業は、インド、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、スリランカを含むベンガル湾多分野技術経済協力イニシアチブ(BIMSTEC)加盟国と日本の包括的な経済協力の可能性について研究し、意識喚起を行うものです。
2005~07年度の3年間にわたり、助成先であるインドの国際関係・開発研究センターを中心に、上記5力国の主要シンクタンク(インド国際関係開発研究センター、バングラデシュ国際戦略研究所、タイ開発調査研究所、ミャンマー経済研究所、スリランカ政策研究所)と日本の専門家が、BIMSTECの優先課題である貿易投資、インフラ、観光、技術協力、エネルギー、漁業の6分野に焦点を当てて共同研究を行い、その結果を広く共有しました。これまで3年間に、コルカタ、バンコク、ダッカ、コロンボ、東京で、関連省庁、政財界、国際機関、シンクタンクなどの関係者が集まり、計6回の対話会議や国際会議を開催しました。07年12月3日に東京で開催された第3回国際会議には、各国シンクタンクの代表、BIMSTECセンター所長など関係者11人が訪れ、日本、米国、フィリピンなどの専門家とともに、BIMSTEC諸国の経済協力の現状や今後の課題について議論しました。一行はまた、国会議員や外務省、経済産業省の関係者と面談し、BIMSTEC諸国と日本の関係強化の重要性について意識共有を行いました。
3年間の成果は、ワーキングペーパー36本、書籍3冊にまとめられたほか、助成先ウェブサイト(
www.csird.orgin)や、本事業の実施にあたって形成された各国のシンクタンクのネットワークの公式サイト(
www.bntt.org)、各国の協力機関などのサイトで紹介されています。また、研究論文は、さまざまな論文データベースに登録されています。
東アジアの統合過程におけるBIMSTECの位置づけや、日本にとっての同地域の戦略的重要性などに関する研究活動が少ないなか、本事業によって数多くの参考材料や有益な情報が提供されました。また、本事業で形成されたBIMSTEC諸国のシンクタンクのネットワークによって、研究結果や提言内容が関係者に広く認知されました。このネットワークが、今後さまざまな分野での共同研究に貢献することが期待されます。
事業実施者 |
Centre for Studies in International Relations and Development(国際関係・開発研究センター/インド)
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年数 |
3年継続事業の3年目(3/3) |
形態 |
自主助成委託その他 |
事業費 |
7,306,572円 |