事業内容
インドシナの小国ラオスは、総人口4 5 0万人のうち8割以上が農業に従事するという農業国です。本事業は、ラオス国内のメディア関係者、農業政策担当者の番組制作能力、ひいては情報発信能力を強化することにより、農業従事者にタイムリーで適切な情報提供を行うことを目的としています。1999年度には、1週間かけてラオス政府高官6人がタイ関係機関(国営教育テレビ、その他大都市圏キー局、独立U局、民間放送など)の視察を行うとともに、3週間にわたるテレビ・ラジオ局員、農業省職員など1 9人のための番組制作研修を、助成先であるカセサート大学が中心となってタイで実施しました。研修中制作した「しいたけの栽培方法」など1 0本のテレビ・ラジオ番組は、すべてラオスで実際に放
送されました。
2000年度はラオスでもテレビが主要なメディアになりつつあるという前提から、テレビ教育番組に特化(本年度の研修生は総勢2 0人で、農業省職員1人を除く全員がテレビ局員)した研修を、やはりカセサート大学で行いました。
3週間にわたる研修は、カセサート大学教員による講義、番組実地制作、関係機関視察の3つに分かれます。
まずカセサート大学では、①教育を目的とするテレビ番組について、②番組制作のための企画術、③演出法、④器機操作、⑤音声操作、⑥デジタル技術、⑦番組編集、⑧脚本執筆法の8分野の講義を実施。研修プログラムに対する終了後のアンケート調査では、4点満点で平均3 . 8 1という高い満足度を研修生から得ることができました。次に研修生は3つのグループに分かれて、実際に「野生の鶏の育て方」、「ナマズの生態」、「マンゴーの栽培方法」という3本のテレビ番組を制作しました。
これら3本の番組は9 9年度同様、研修生の帰国後にラオス国内でただちに全国放映されました。最後に研修生は、①タイ民間放送4局、②スコタイ・タマチラート公開大学、③タイ公共放送、④カンタナ番組制作会社を視察しました。中でも特筆すべきは、タイの民間・公共放送、番組制作会社において、単なる見学に終わることなく、実際のスタジオと放送機器を使っての研修が行われたことです。また、カンタナ番組制作会社からは本事業終了後も商業ベースでラオス人研修生を引き受けたいという表明がありました。実現すれば面白い展開が期待されます。
事業実施者 |
Kasetsart University(カセサート大学/タイ)
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年数 |
2年継続事業の2年目(2/2) |
形態 |
自主助成委託その他 |
事業費 |
4,142,206円 |