事業紹介

2002年
事業

ベトナムの人材育成:韓国の経験

事業内容
ベトナムはドイモイ政策を始めて1 0年以上経過しましたが、経済成長半ばでアジア通貨危機を経験し、さらにその影響から立ち直る前に中国という巨大市場が頭角を現し、ベトナムの世界経済における存在意義を侵しつつあります。こうした厳しい状況下にあるベトナムにいま必要なことは、ビジネス分野の自由化促進と、国際競争力育成のための環境整備、すなわち金融システムや国営企業の効率化へ向けた構造改革です。
こうした背景を受けて、本事業では2 0 0 1年度、ベトナムの中堅行政官や経済政策立案担当の研究者たちを対象に、韓国の経済成長・金融危機の打開策から学ぶ視察研修(ベトナム人研究者15人を韓国に2週間招へい)と集中講義(韓国人経済学者2人がハノイで4日間講義)を行いました。そして、ベトナムの研究者から「来年度も、より深く韓国から学びたい」という意見が出る
に至りました。
そこで0 2年度は、1 9 6 2~9 6年の金融政策に焦点を当て、視察研修と集中講義を行いました。具体的には、7月4~1 6日の1 3日間、韓国ソウル郊外の京畿道にある慶熙大学アジア太平洋研究センターに、ベトナム計画・投資省所属開発戦略研究所の研究員1 0人を招き、アジア太平洋研究センター所長朴基岸博士以下6人の経済学教授による集中講義を行いました。参加者たちは、韓国の主要エネルギー関連企業、L G本社と釜山近郊産業特恵地区への視察研修も行いました。現場の担当者と話す機会をもった参加者たちから、「韓国の先端技術や金融システムを目の当たりにして触発された」という声が聞かれました。
また、ベトナムでは、8月2 0~2 6日の7日間、ハノイで集中講義が行われました。慶熙大学アジア太平洋研究センターの金星勲博士と成克済博士が講師としてハノイを訪れ、ベトナム計画・投資省所属開発戦略研究所で、同所研究員を中心としてベトナムの経済企画に携わる官僚・研究者約3 0人に集中講義を行いました。
講義に続き、韓国の経済学者とベトナムの経済学者の間で活発な議論が展開されました。

事業実施者 Center for Asia-Pacific Studies, Kyung Hee University(慶煕大学アジア太平洋研究センター/韓国) 年数 2年継続事業の2年目(2/2)
形態 自主助成委託その他 事業費 4,883,059円