事業紹介

2005年
事業

ベトナム移行期農業経済の研究能力強化

事業内容
1986年からのドイモイ(刷新)政策実施以来、高度成長を続けるベトナムでは、農業部門の生産量も拡大し、同国の国内生産の約25%を占めるようになりました。しかし依然として、農産物の低品質・低生産性、農村の貧困、農村金融制度の遅れなどの問題が山積しています。さらに、ASEAN自由貿易地域(AFTA)加盟国として、またWTOへの加盟に向けて、同国にとって市場経済の加速化、農村の近代化、経済の国際化への対応が緊急の課題となっています。本事業は、日本を含む周辺アジア諸国の経験をベトナムに移転し、同国の農業経済分野における研究能力を強化しようというものです。ベトナム経済の発展に寄与することを目的に、ハノイ農業大学を助成先として3年間にわたり行われました。
事業初年度、2年度目には、農業分野の代表的な研究機関であるハノイ農業大学、カントー大学、トゥドック大学、財務省市場物価研究所が主体となって調査チームを結成し、メコンデルタおよびレッドリバーデルタ地帯の米・豚、中央高地のコーヒー、南東地域のゴム・乳製品などに関する家計調査を行いました。
最終年度となる本年度は、調査チームごとに収集・分析したデータを生産関数に投入して生産性や価格について分析し、農産品の比較優位性に関する論文の執筆と総まとめを行いました。2005年6月には4つの研究グループが集まってハノイでワークショップを開催し、それぞれの研究の方向性や進捗状況について確認しました。同年9月には国際会議をハノイで開催し、研究成果の発表と評価を行いました。この国際会議では、マレーシアと日本から招いた専門家2人が、ベトナム側の研究チームに対し、研究内容、新手法導入に伴う経済用語の定義についての確認など、適切で多岐にわたるアドバイスをしました。06年1月には、本事業で得た研究手法を後進の研究能力向上に役立てるため、ハノイで大学の研究員や講師向けの講習会を3日間にわたり開催し、25人が参加しました。研修内容は農業経済調査メソッド、商品連鎖分析、政策体系解析、農産品の比較優位性分析の4つのテーマにわたりました。
ベトナム側の努力によって研究能力向上が図られ、また、今後の後進の育成について楽観的な見通しが立ったところで、3年間の事業を無事終えることができました。

事業実施者 Hanoi Agricultural University(ハノイ農業大学/ベトナム) 年数 3年継続事業の3年目(3/3)
形態 自主助成委託その他 事業費 4,352,285円