事業紹介

2013年
事業

ミャンマーASEAN議長国支援

実施内容
2013年度の初回となる通訳官養成研修が、5月11日から6日間の日程でヤンゴン大学付属国立英語語学センターで開催され、各省から選抜された12名が参加しました。
 
 今回の研修では、教材として、ASEANを取り巻く経済問題、水問題をはじめとする資源問題や移民問題、2015年までに構築が予定されているASEAN経済共同体に関わる課題などのテーマが取り上げられました。また、ASEANサミット等で採用されているリレー方式通訳(元となる1言語を中核となる別の言語に通訳し、中核の言語からさらに別の言語に再通訳する方式)を意識して、参加者1名のみが英語を聞いてミャンマー語に通訳し、それを参加者全員で英語に戻した時に、元の英語とどの程度の違いが生じているかを比較し、その原因を追究しました。そのほか、日本語と同様に動詞が文章の最後に来るミャンマー語と動詞が先にくる英語を通訳するときに生じる問題とその解決法についての講義や演習を行いました。

 また、ミャンマー教育省副大臣より、この事業の副次的成果について説明がありました。2013年5月20日より2週間、教員のための通訳者養成集中研修が同センターにおいて開催される予定であり、2012年度第5回通訳官養成研修(2013年1月)に教育省から参加した6名が講師を務め、さらにテキストの作成もこの6名が請け負うということでした。

2013年第2回通訳官養成研修は、7月15日から6日間の日程でヤンゴンにおいて開催される予定です。
 
本年度2回目となる(2012年度からの継続で8回目)通訳官養成研修が、7月13日から6日間の日程で、ヤンゴン大学付属国立英語語学センターで開催され、各省から選抜された12名が参加しました。
 
今回の研修では、教材として、通訳を務めるにあたって必要となる経済に関する基礎知識、2015年のASEAN共同体構築を見据えた「物品・サービス・投資分野の自由化」に関する協定、世界経済フォーラム開催時のアウン・サン・スー・チー氏に対するBBCのインタビューなどの教材が使用されました。

また教育省から研修に参加しているZaw Win氏が7月にブルネイで開催されたASEAN外相フォーラムに参加したときの所見を発表しました。同氏は、ASENA外相会議にミャンマー外務省の視察団の一員として派遣されました。国際会議開催に関して得た知識と経験、視察を通じて感じた通訳官研修の意義と効果について述べました。
 
2013年度の3回目となる(2012年度からの継続で9回目)通訳官養成研修が、9月9日から6日間の日程でヤンゴン大学付属国立英語語学センターで開催され、各省から選抜された12名が参加しました。

この事業の目的は、 ASEAN 議長国としてミャンマーが開催する会議の同時および逐次通訳官を養成することですが、2013年ASEAN議長国であるブルネイからの要請により、ミャンマーのASEAN議長就任が10月に早まることとなりました。そのため、ASEANを取り巻く諸問題を教材に盛り込むことはもちろんのこと、実際に通訳ブースに入ることを念頭に、より緊張感をもって訓練を行いました。サイト・トランスレーション(発言原稿を見ながらの通訳)、ウィスパリング、ノートテーキングなど行ったほか、通訳ブースでの通訳官としての心得、ブース内でチームとして通訳を行うにあたって、どのようにパートナーをアシストすべきか、またパートナーとしてすべきでないことは何かなど、より実践的な形での演習をおこないました。
 
 
本年度4回目となる(2012年度からの継続で10回目)通訳官養成研修が、10月14日から6日間の日程で、東京で開催され、各省から選抜された12名が参加しました。
 
今回は、当財団の大会議室に簡易通訳ブースを設置し、ブースでの通訳業務を意識した訓練が行われました。というのもミャンマーにおいては、機材や電力が不足し、通訳として従事する際に使用される機材を使っての演習が難しい状況にあるからです。日本での研修という利を生かし、最新の機材を利用し、通訳ブースでの通訳者の入れ替わりやパートナーへのフォローなどを実践しました。それらを体感することによって、研修生も「通訳ブースで通訳官として働く」ということを実感として意識出来たようでした。

研修最終日は、日光に移動し、華厳の滝、世界遺産である日光東照宮と日光山輪王寺の視察を行いました。
 
 
2年プログラムの最終回となる(2012年度からの継続で11回目)通訳官養成研修が、12月15日から6日間の日程でヤンゴン大学付属国立英語語学センターにおいて開催され、各省から選抜された12名が参加しました。

ミャンマーは2013年10月の時点で既に前議長国のブルネイよりASEAN議長権限を譲渡されており、外務省から参加している2名は既に通訳としての仕事に従事していています。よって、研修を通じて通訳技術やASEAN議長国として必要な知識の取得に励むことはもちろんのこと、通訳ブースでの仕事を念頭に、通訳同士でどのように素早く交代を行うかやパートナーのフォローをどう行うかなどの訓練を行いました。また、最終日には閉講式が開催され、Myint Thuミャンマー外務省ASEAN局副局長および当財団の茶野常務からの閉会の挨拶の後、ミャンマー外務省より受講生に修了書が授与されました。

ミャンマーは、議長国として2014年1月にはASEAN外相会議の開催に臨みます。研修生が通訳として従事する予定であり、当財団がこの事業にかかわり、ミャンマー政府に貢献できたことを、うれしく思います。
 
 
 

事業実施者 笹川平和財団 ミャンマーASEAN国内委員会(ミャンマー)、(株)ディプロマット、ASEAN Studies Centre(シンガポール) 年数 2年継続事業の2年目(2/2)
形態 自主助成委託その他 事業費 28,831,180円