事業紹介

2011年
事業

ASEAN域内対話強化と統合促進

事業概要
本事業は、ASEANの機能強化に寄与するために、ASEAN主要国の外交専門家、メディア、ビジネス・セクター、NGOなどが参加する域内対話チャンネルを構築し、外交や安全保障をはじめとする地域共通課題について、国際会議の開催などを通じて、関係者間で情報共有・討議を行う場を設けることを目的とする。
実施計画
3年事業の初年度にあたる本年度は、下記のテーマに基づき5回の国際会議を開催する。
  • テーマ1:「ASEAN統合強化に向けた取り組み」(5月、2日間、メディア関係者20名程度が参加予定)
  • テーマ2:「安全保障にかかわる情報共有体制の強化」(7月、2日間、外交専門家20名程度が参加予定)
  • テーマ3:「経済共同体の形成と民間セクターの役割」(9月、2日間、ビジネス関係者20名程度が参加予定)
  • テーマ4:「安全保障協力強化に向けた専門家とアセアン事務局の連携」(11月、2日間、政治アドバイザーおよび安全保障専門家20名程度が参加予定)
  • テーマ5:「マルチセクター間協力の強化」(2012年2月、2日間、メディア、ビジネス関係者および外交専門家20名程度が参加予定)
ASEAN域内の対話を強化し、統合の促進を図るために、各会議の内容を政策提言メモ、新聞社説・記事、テーマ別報告書などにまとめ、ASEAN事務局、加盟各国、国際機関、日本はじめとする関係国・関係機関などに配布する。
実施内容
2011年7月25、26日の両日、第一回会議がクアラルンプールの外交問題研究所で開催されました。この会議にはラザリ・イスマイル元国連ミャンマー事務総長特使をはじめ、マレーシア、インドネシアから約40名が参加し、ASEAN統合の礎としてのマレーシアとインドネシアの二国間関係を主なテーマに、討議が行われました。

●第1回会議プログラム
●第1回会議参加者リスト
2011年11月21~22日の間、マレーシア外交問題研究所において、マレーシア・タイ・ベトナムの3か国による国際会議が開かれました。マレーシアからはアーマド元外務大臣をはじめとして、元大使、現外交補佐官などが参加し、ベトナムからは外交政策・戦略研究所やNPOの関係者、タイからは在クアラルンプール・タイ国大使館やマレーシアに留学中の研究者が参加しました。会議では、テロ、麻薬、人身売買、労働問題、自由貿易交渉(FTA、TPP)など多岐にわたる議題が取り上げられました。なかでも南シナ海における「海洋安全保障」に対して関心が寄せられ、活発な議論が繰り広げられました。

第2回国際会議プログラム
第2回国際会議参加者リスト
左:会場のマレーシア外交問題研究所  右:受付の様子
 
左:アーマド元外務大臣の開会あいさつ 右:域内共通課題をめぐる活発な議論
マレーシア外交政策研究会(FPSG)主催の第3回国際会議が3月8日と9日の2日間にわたり、マレーシア外務省外交問題研究所(IDFR)において開催されました。「ASEANの域内統一の課題と展望」をテーマにした本会議には、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムの4カ国が参加しました。
本会議は4つのセッションと学生参加のセッションから構成され、各セッションでは、元大使、現役外交官、大学教授、研究所の上席研究員など14名が、専門性の高い発表を行いました。政治・経済、安全保障、社会・文化の視点からASEAN共同体の課題と今後について議論が交わされました。
今回は、ASEAN諸国以外から防衛省防衛研究所の庄司智孝・主任研究員を派遣し「米中二極による日本の対ASEAN政策」と題し、日本のASEANへの貢献について発表していただきました。

第3回国際会議プログラム
第3回国際会議参加者リスト
第3回国際会議発表原稿
庄司主任研究官(防衛研究所)の発表

庄司主任研究官(防衛研究所)の発表

 
会議終了後の記念撮影

会議終了後の記念撮影

 
 
事業成果
本年度は、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムの4か国から参加を得て、国際会議とセミナーを計5回実施しました。
2012年3月に行われた第3回国際会議では、第1回から第2回まで参加した4か国の関係者が一堂に集まり、安全保障・経済・人的交流の3分野における統合促進に向けた制度のあり方、日本を含む域外諸国との協力強化などについて議論を重ねました。
また、2011年12月に開催されたペナン・セミナーでは、ASEAN統合における学生代表の積極的な関与を促すため、ASEAN共同体形成における次世代リーダーの役割について議論しました。

事業実施者 マレーシア外交政策研究会 (FPSG/マレーシア) 年数 3年継続事業の1年目(1/3)
形態 自主助成委託その他 事業費 11,331,087円