事業紹介

2011年
事業

アジア諸国との国会議員交流

事業概要
本事業は、訪日の機会の少ないアジア諸国の若手国会議員に焦点をあてた招へいを実施し、二国間関係の強化と日本理解の深化を目的とする。訪日中には、日本の政・財・官の有識者と意見交換を行うほか、議員団との協議の上、特定のテーマにかかわる研修を実施する。
実施計画
5年継続事業の3年目にあたる本年度は下記の活動を行う。
  • カンボジア国会議員招へい(8日間程度): 
    議員7名(事務局員1名を含む)とコーディネーター兼通訳者1名を招へいし、以下の活動を実施する。
    (1)日本の国会議員、政・財・官の有識者と意見交換を行うほか、カンボジア国会から要請のあった「教育」をテーマにレクチャーと短期研修を実施する。
    (2)議員の選定、事前ブリーフィング、招へい終了後のフォローアップ業務をカンボジア国際教育支援基金 (CIESF)に委託する。
  • モンゴル国会議員招へい(8日間程度):
    国会議員6名とコーディネーター1名を招へいし、以下の活動を実施する。
    (1)日本の国会議員、政・財・界の有識者と意見交換を行うほか、モンゴルの実情に即したレクチャーと短期研修を実施する。
    (2)団員の選定、事前ブリーフィング、招へい終了後のフォローアップなどの業務をモンゴル開発研究センター(MDRC)へ委託する。
  • 準備・調整および国内受け入れ活動
    (1)事業担当者がカンボジアおよびモンゴルへ出張し、各地の協力団体とプログラム内容、実施時期、テーマなどについて話し合うとともに、業務委託契約の詳細をつめる。また招へい後は、現地でフォローアップ活動を行う。
    (2)訪日プログラムの実施に伴い、国内外の協力・受け入れ機関と適宜調整を行い、事業を効果的に運営する。また、議員団の滞在期間中に歓迎レセプションなどを開催することにより、関係者間でのネットワーク構築を促進する。
実施内容
カンボジア国会議員団来日(2011年12月4~11日:8日間)
カンボジアは内戦終結後、1993年の国連カンボジア暫定機構による総選挙を経て「カンボジア王国」として再出発しました。しかし、日本とカンボジアの関係は、内戦時代に外交関係が途絶えたこともあり、双方の理解は多方面にわたり未だ十分とはいえません。このため、今回のカンボジア国会議員団招へいは二国間関係の強化と日本理解の深化を図ることを目的に計画されました。内戦が終結し、政治的安定が達成され、経済も成長過程に入ったカンボジアでは、海外直接投資の誘致によるさらなる経済発展を標榜しています。そのため優秀な人材の確保が大きな課題となっており、今回の議員団には「教育」に焦点を当てたプログラムが組まれました。

8日間の滞日中に、文部科学省、国立教育政策研究所、東京都教育庁、広島大学、都立園芸高校などを訪問したほか、衆議院文部科学委員と意見交換を行いました。一行は教育を所管する第7委員会に所属する議員であることから、いずれの訪問先おいても、メモを取り、積極的に質疑応答を行うなど日本の教育関連の知識の獲得に真摯に取り組んでおり、帰国前日には、ヘン・サムリン下院議長に提出するための報告書を取りまとめました。

カンボジア国会議員団リスト(PDF)
アンコール遺跡群保存および人材育成プログラムについて説明を受ける(上智大学)[左]
東京都の教育行政について学ぶ一行(東京都教育庁)[右]
実業高校のカリキュラムについて説明を受けた後、施設を視察(都立園芸高校)[左]
斎藤勁内閣官房副長官(民主党日本・カンボジア友好議員連盟会長)を表敬訪問[右]
国会見学(衆議院)[左]
民主党日本・カンボジア友好議員とのワーキングランチ[右]
平沼赳夫日本・カンボジア友好議員連盟会長を表敬訪問[左]
両国の立法過程と教育課題について意見交換する様子(衆議院文部科学委員)[右]
教育学部について説明を受ける一行(広島大学)[左]     
同大学のカンボジア留学生との懇親会の様子[右]
授業風景を視察(広島大学付属中・高等学校)[左] 
広島平和記念公園の慰霊碑に献花する一行[右]
モンゴル国会議員団来日(2012年3月5日~12日:8日間)
1990年にモンゴルが民主化・市場経済化への移行を始めてから現在に至るまで、モンゴルにとって日本は最大援助供与国であり、二国間関係は幅広い分野で着実に発展しています。その一方で、急激な経済成長を遂げているモンゴルにおいては、大気汚染や交通渋滞などが問題となっており、環境保全に配慮した持続可能な経済発展が求められています。同国のこうした現状を踏まえ、今回来日する議員団には「環境に配慮した都市開発」に焦点を当てたプログラムが組まれました。

一行は、環境省、国土交通省、資源エネルギー庁、警視庁交通管制センター、東京都環境局、東京メトロ、北九州スマートグリットコミニティなどを訪問したほか、衆参の日本・モンゴル友好議員連盟議員との意見交換を行いました。また日本の歴史や文化への知見を深めるため、宮島、広島平和記念公園、人と防災未来センターなどを視察し、大相撲三月場所を観戦しました。

モンゴル国会議員団名簿
日本の公害の歴史と対策について説明を受ける(環境省)[左]
衆参日本・モンゴル友好議員連盟との会合[右]
国会見学[左]
交通管制システムについて学ぶ(警視庁交通管制センター)[右]
上野公成理事長を表敬訪問(都市再生研究所)[左]
日本の都市計画(全般・住宅・道路・鉄道)について説明を受ける(国土交通省)[右]
東京メトロの概要について学ぶ(東京メトロ中野車輌基地)[左]
新宿三丁目駅の視察と地下鉄試乗[右]
笹川平和財団主催レセプション[左]
日本のエネルギー事情およびスマートグリットについて説明を受ける(資源エネルギー庁)[右]
一般廃棄物処理工程視察(渋谷清掃工場)[左]
廃棄物処理政策について学ぶ(東京都環境局)[右]
蛍光灯リサイクル工場視察(北九州エコタウン)[左]
北九州スマートコミニティ創造事業について説明を受ける(北九州東田スマートコミニティ)[右]
広島平和記念資料館視察[左]
阪神淡路大震災の概要と災害対策について学ぶ(人と防災未来センター)[右]
事業成果
本年度は、2011年12月にカンボジア国会議員6名が訪日しました。カンボジアでは優秀な人材の確保が大きな課題となっているため「教育」に焦点を当てたプログラムが実施されました。また、2012年3月にはモンゴル国会議員2名が訪日し、「環境に配慮した都市開発」に焦点を当てたプログラムが実施されました。

事業実施者 笹川平和財団 カンボジア国会事務局(カンボジア)、モンゴル開発研究センター(モンゴル) 年数 5年継続事業の3年目(3/5)
形態 自主助成委託その他 事業費 11,697,612円