馬場 智子BABA SATOKO

  • タイの公教育における宗教とムスリム

    2015.05.28

    馬場 智子 タイ深南部
    タイの公教育における宗教とムスリム

    日本においては、日本国憲法第二〇条において「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」という政教分離に関する記述があるように、公教育において宗教教育が実施されることはない。しかしタイは、公教育以前から寺院が教育機関としての役割を担い、現在も教育制度、カリキュラムを含めた教育内容において宗教、とりわけ仏教が重要な地位を占めている国である。それではこのような国において、他の宗教を信仰する人々はどのように育ち、学ぶのか。本稿では、タイの基礎教育カリキュラムにおける宗教の位置づけから、ムスリムへの対応について分析を試みたい。