インド太平洋地域のディスインフォメーション研究シリーズ Vol.3
インド太平洋地域におけるディスインフォメーションの流通とその対策
―米国政府とプラットフォーム事業者による対策に着目して―
- サイバー・軍事・地政学
- 米国
九州大学大学院法学研究院 准教授
成原 慧
インド太平洋地域のディスインフォメーション研究シリーズ掲載のお知らせ
この度、IINA(国際情報ネットワーク分析)では、笹川平和財団プロジェクト「インド太平洋地域の偽情報研究会」(2021年度~)において同地域のディスインフォメーション情勢について進めてきた調査研究と議論の成果を「インド太平洋地域のディスインフォメーション研究シリーズ」として連載いたします。IINA読者のご理解のお役にたてば幸甚です。
はじめに
最近では、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、米国と中国の緊張関係も高まる中で、サイバー空間を介したディスインフォメーション(偽情報)の発信・拡散やプロパガンダ(政治宣伝)が広がり、その対策のあり方について国際的に議論が活発になっている。本稿では、インド太平洋地域における国境を越えるディスインフォメーションの流通に関する問題を概観するとともに、米国政府及びプラットフォーム事業者による対策を検討する。このことを通じて、インターネット上でのディスインフォメーションの流通及びその対策から派生し得る表現の自由や民主主義にかかわる問題を示すことにしたい。